――今回のプロジェクトは、もともと飲み仲間だったというお2人のつながりから生まれたものだと聞いていますが、とはいえ東映とKADOKAWAが組むメリットは非常に大きいと思います。お互いの魅力をどう見ていますか?
井上:東映さんが持つ特撮やアニメのビジネスモデルは本当に完成されたもので、きちんと収益のパターンができている。グッズなどのマーチャンダイジングもそうですし、ヒーローショーなどのイベントもきちんと行っている。なおかつそれが毎年のように拡大しているところがすばらしい。
それからこれは白倉さんの功績のひとつだと思うのですが、ライダー、戦隊もの、プリキュアといったヒーロー、ヒロインものの年間の映画上映ラインをきちんと作り上げていかれたことも非常にすばらしい。まずは安定性を確保したうえで、年間にひとつでも2つでもより多くのヒットが出ればいいと。これはビジネスの先達として大いに勉強になる点です。
今回、『キカイダー REBOOT』を一緒にやらせていただくことになって、そういうノウハウの一片でも勉強できないかと思っていました。実際に組んでみて、非常に効率的な撮影をされていることがわかりましたし、つねに作品が作られ続けていくことで、ノウハウも蓄積もされている。そのための研究も盛んに行われています。それによって普通の現場よりも非常に速いペースで作品が出来上がっていく。そういったことを目の当たりして、参考になることが多かったですね。
一方、KADOKAWAとしては、いわゆる映像ソフトを、ある種の価値観をプラスした魅力的な商品としてユーザーにお届けするノウハウがありますし、そういった点は長所だと思います。ですから、この2社が組んでやっていけば、お互いのいいところが伸ばせる企画が作れるのではないかと思っています。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら