井上:元のキカイダーも、東映の中では、生田(東映生田スタジオ)ではなく、大泉(東映大泉撮影所)で初めて作られたヒーローものでした。仮面ライダーとは違うラインで作られていたわけです。スタッフ同士の切磋琢磨から生まれてきたものだと思います。そういった意味でも今回は、従来のライダーや戦隊の映画では見られないようなアクションが生まれてきたと思います。
白倉:お互いに高められるといちばんいいんですよ。『キカイダー REBOOT』も、仮面ライダーの二番煎じではなく、あくまでもそのカウンターとして、ライダーを打倒するぐらいの気持ちで切磋琢磨しながら作っていますからね。
KADOKAWAはヌエのような会社
――今、日本の映画界は東宝のひとり勝ち状態が続いています。東映とKADOKAWAが組むことで、これを機に東宝の対抗軸になるような旋風を巻き起こそうというお気持ちがあるのでは?
井上:KADOKAWAは本当にオープンな会社ですから、松竹さんや東映さん、もちろん東宝さんとも一緒にやらせていただいています。あらゆるところとお付き合いできるのがうちの強みだと思っているので、それは今後も生かしていきたいなと思います。ただそれぞれの会社の特徴がありますので。今回のようなヒーローもの、なおかつキカイダーみたいなテーマというものは、東映の白倉さんとしかできない企画だと思うんですよね。
変な話ですが、KADOKAWAというのは(頭はサル、体はタヌキ、尾はヘビ、脚はトラに似ていると言われる怪物である)鵺(ぬえ)のような会社なのです。ここを見ると映画会社、ここを見ると出版社、さらにここを見ればIT企業といったように、外から見たら得体の知れないところかもしれません。でも、逆に言えばそこが特徴だと思うので、ある時はこういったところが得意だから、こっちと組んで。またある時はあっちと組んで、といったことが比較的自在にできる。たぶん日本でも唯一のプロダクト形態を持つ会社だと。他社の方々にはKADOKAWAのいいところを自由に使っていただきたいと思っています。ですから、対東宝さんという考えはまったく持っておりません。
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