体重6倍超「双子パンダ」生後1カ月劇的成長の裏側 なんとも愛らしい白黒模様もくっきり見える

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双子の成長に伴い、保育器内で1回に飲むミルク(母乳+人工乳)の量も増えた。すると腹持ちがよいため、哺乳と哺乳の間に、赤ちゃんが落ち着いて寝ている時間は4~5時間に延びている。

シンシンと保育器の間で双子を入れ替える間隔は、当初は約1日だったが、現在は約5日。実は、これには人工乳が関係している。

双子が飲むミルクの量が増えるに従い、人工乳の比率を徐々に増やしている。7月16日時点の母乳と人工乳の比率は、およそ半々。

「人工乳は母乳に比べ消化が悪く、慣れるまで下痢をすることもあるので、量は少しずつ増やします。1日おきに子を入れ替えると、人工乳に慣れないうちに母乳に戻り、また人工乳に……となってしまいます。ある程度の時間をかけて人工乳に慣らすため、約5日にしています」(上野動物園の大橋直哉・教育普及課長)というわけだ。

敷物はシャンシャンの「おさがり」?

入れ替えるタイミングのわずかな時間は、2頭が保育器内で一緒になることもある。7月15日の動画には、少なくとも午前5時50分から約5分間、一緒にいる様子が映っている。この日は身体測定のため長めだが、シンシンは子どもがいないと不安になって探すため、なるべく手短に済ませている。

27日齢となる7月20日の雌(左)と雄の双子(写真:公益財団法人東京動物園協会提供)

ただ、7月20日時点では、シンシンが排泄や食事をする際、短時間だが赤ちゃんから離れるようになった。これは、長女のシャンシャン(香香)が赤ちゃんの頃にも起きた行動だ。「子どもが順調に生育しており、安心しているためではないか」と上野動物園は推察している。

保育器にいる赤ちゃんの下には大きな布が敷かれている。布の柄は数種類ある。パンダとパンの柄は、シャンシャンが赤ちゃんだった2017年に使っていた布とおそろいだ。この布は当時、話題になり、筆者も同じ柄の布を求めて複数の生地店を探したが、シャンシャン効果でどこも売り切れていた。

双子が使っている布は、今回新調したのか、それとも2017年に買ったものなのか。「(飼育担当者に)確認したところ、当時買ったものだと言っていました。2頭なので頻繁に布を変えるらしく、あったものを引っ張り出して使っているそうです。もしかしたらシャンシャンが使っていたものかもしれません。未使用品かもしれませんが」(大橋課長)とのことだ。

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