体重6倍超「双子パンダ」生後1カ月劇的成長の裏側 なんとも愛らしい白黒模様もくっきり見える

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双子の性別が判明したことで、現在、国内にいる13頭のパンダの性別は、雌が10頭(アドベンチャーワールド6頭、上野動物園3頭、神戸市立王子動物園1頭)、雄が3頭(アドベンチャーワールド1頭、上野動物園2頭)となった。

国内で雄のパンダが生まれたのは約9年ぶりとなる。9年前の2012年は、上野動物園で7月5日に雄のパンダが生まれ、7月11日に短い命を終えた。死因は、母乳を詰まらせたことによる肺炎。シンシンとリーリー(力力)の間には、死亡したこのパンダとシャンシャンが生まれているので、双子は次男・次女になる。

パンダの性別は、個体によって見分けづらいこともある。上野動物園とアドベンチャーワールドで生まれた計4頭のパンダは、当初の発表と逆の性別だった(参照:『和歌山「赤ちゃんパンダ誕生」5つの異例な事情』)。

パンダの性別が判明した時期もバラつきがある。例えば、オランダのアウエハンツ動物園で2020年5月1日に生まれたファンシン(梵星)について、同園が「雄」だと発表したのは、生後半年近く経った10月末だった。

上野動物園の双子は、性別が分かったので、名前の公募が間もなく始まるだろう。中国の慣習に従い、生後100日目頃に名付けられる見通しだ。

双子の繁殖相手候補も誕生?

パンダの赤ちゃんが生まれる時期は6~8月が圧倒的に多く、海外でもパンダが続々と誕生している。マレーシアのネガラ動物園では5月31日に雄が1頭誕生。中国・重慶動物園では6月10日に雄の双子が生まれた。

CCRCGPの四川省・臥龍神樹坪基地では7月17日、2組(4頭)の双子が誕生した。うち1組の母親は、アメリカ・サンディエゴ動物園で2007年8月3日に生まれ、2010年9月に中国へ渡ったチェンチェン(珍珍)だ。CCRCGPによると、チェンチェンは四川省・核桃坪基地にいたが、繁殖のため神樹坪基地に移っていた。繁殖体制を整えている神樹坪基地は、シャンシャンの行き先候補の1つだ。

ユアンモンの1歳の誕生日に授乳するファンファン。2018年8月(写真:筆者撮影)

今後も各地でパンダが生まれる可能性がある。

香港のオーシャンパークのパンダは交尾し、イギリスのエディンバラ動物園のパンダは4月に人工授精している。

フランスのボーバル動物園は、胎児の存在を確認し、ファンファン(歓歓)が妊娠していると7月20日(日本時間21日未明)に発表した。同園では、フランス初のパンダが2017年8月4日に誕生。双子で、1頭目は間もなく息を引き取ったが、ファンファンが世話をした2頭目のユアンモン(圓夢)は元気に育っている。

2021年に生まれるパンダたちは、上野動物園の双子と同い年になる。CCRCGPとの関係など、条件によっては、将来、双子の繁殖相手になるかもしれない(マレーシアの赤ちゃんの両親や、上野のリーリーとシンシンは、同い年のカップル)。パンダの誕生シーズンに突入し、海外の赤ちゃんパンダにも大注目だ。

中川 美帆 パンダジャーナリスト

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なかがわ みほ / Miho Nakagawa

福岡県生まれ、早稲田大学教育学部卒。毎日新聞出版「週刊エコノミスト」などの記者を経て、ジャイアントパンダに関わる各分野の専門家に取材している。訪れたパンダの飼育地は、日本(4カ所)、中国本土(11カ所)、香港、マカオ、台湾、韓国、インドネシア、シンガポール、マレーシア、タイ、カナダ(2カ所)、アメリカ(4カ所)、メキシコ、ベルギー、スペイン、オーストリア、ドイツ、フランス、オランダ、イギリス、フィンランド、デンマーク、ロシア。近著『パンダワールド We love PANDA』(大和書房)

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