島忠が目論む「動物保護活動新時代」の幕開け 「ステイホーム」でペット人気が高まっている
コロナによるライフスタイルの変化は、動物にも大きな影響を与えている。家にいる時間が長くなったことでペット需要が高まり、ペットショップでの販売数や、保護団体への譲渡申し込みが増えたというのだ。
国全体の犬猫の殺処分数は減っているものの、まだゼロには至っていない。共生社会に向けて、動物と暮らすという選択肢が増えるのは望ましいことだ。
ただ、ペットを巡る社会状況は大きな矛盾もはらんでいる。生きる場を与えられず処分されてしまう犬や猫がいるいっぽうで、ペットを販売するペットショップや繁殖させるブリーダーがいる。一概にどうとは言えず、簡単には答えの出ない問題だ。
こうした状況に一石を投じたのが、ホームセンターの島忠である。
ペット陳列販売を廃止、保護動物譲渡会の場に
島忠では2020年7月1日より、与野店、浦和南店においてのペット陳列販売を廃止。同店での販売方法を、島忠の認可を得たブリーダーを通じての紹介に切り換えた。また、ペットの陳列販売が行われていた、店内のケージの並ぶスペースは、両店で月に2~3回実施される保護動物譲渡会の場として活用する。
ペットをビジネスとする事業者にとって大きな決断であり、ここまで至るにはさまざまな障壁があったことだろう。それらを越えて一歩を踏み出した思いの強さもまた感じられる。
さいたま市の島忠本社を訪ね、今回の経緯や意図、今後の見通しなどについても聞いた。なお、以下レポートは2020年10月29日に取材した内容をもとに構成している。
まず同社での保護動物に関する一連の取り組みについて、島忠セールスインキュベーション部(取材当時)重田賢一氏は次のように説明する。
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