三軒茶屋「保護猫と共存する賃貸住宅」の実態 高齢などの事情で飼えなくなる飼い主が多い

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東京・三軒茶屋に2020年7月オープンした、猫を助ける複合施設「SANCHACO」。写真はワーキングスペースで、使用料は会員料金であれば1ヵ月5000円、会員以外は1時間1000円(写真:シナモンチャイ)

2020年6月、改正動物愛護管理法が施行。一般の間にも、犬や猫をはじめとする、人間と暮らす動物に対しての理解も進んできている。例えば最近、自粛要請やリモートワークで家にいることが増えたため、ペットへのニーズが高まっている。その際、まっすぐペットショップに行くのではなく、保護団体に行き、身寄りのない動物を引き取るという選択肢を考える人も増えているようだ。

しかし難しい問題もある。ペットショップでは普通、子犬や子猫を中心に扱う。ニーズが高いからだ。保護動物の里親を募集する譲渡会でも同様で、幼い個体のほうが引き取られやすい。

ただし、飼い主側の年齢制限もある。

飼い主にとって心配なのが、自分が年を取ったときのこと。例えば猫の寿命は20年程度あるので、自分が高齢者施設に行くことになったり、死んだりしたら、行き場がなくなってしまう。このことから、猫の引き取り手の年齢上限を決めているペットショップ(子猫の場合)や保護団体も多い。

“猫を助ける賃貸住宅”

こうした、成猫をめぐる問題と、飼い主の年齢の問題、それから保護猫全体の問題をひっくるめて、地域で考えていこうとする動きがある。

三軒茶屋で7月より運営を開始した“猫を助ける賃貸住宅”、SANCHACO(サンチャコ)がそれだ。

サンチャコの外観(筆者撮影)

同施設は賃貸住宅と、シェア飲食スペース、クリエーティブスペースの3つの機能を備える複合施設。

施設内では猫が放し飼いにされており、住人やオフィス利用者は猫がいる空間を共有できる。また住宅の賃借人には保護猫を飼うことが推奨されるという。

10月の始め、筆者が訪問した時点では、同施設には3匹の猫が居住。地域の保護猫団体を通じて引き取ったいずれも10歳前後の猫たちで、そのうちの1匹は、ある地域住民が1年前に亡くなって、行き場がなくなったところを、近隣の方々が交替で世話をしていたのだという。

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