人口87万減なのに「世帯227万増」日本を襲う変化 ソロ世帯の年齢分布「東京と秋田」で異なる点

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若者が地方を脱出する理由は、そこに仕事がないからです。歴史的に見ても、都市への人口集中はそこに仕事があるかどうかで決定されてきました。

明治の廃藩置県後、全国で人口1位になった都市は広島県(1872年)です。続いて、愛知県(1873年)新潟県(1874年)、石川県(1877年)と目まぐるしく入れ替わります。新潟は、その後1887年から1896年まで10年連続で1位に君臨し続けます。明治期において、人口集中都市は新潟だったわけですね。

新潟が1位だった理由

新潟が1位だった理由は、当時海運業が全盛期だったからです。高速道路網も鉄道網もまだ整備されていない時代、物流はほぼ船でやりとりされていました。海運業が盛んだったということは、そこに仕事がたくさんあるわけです。すると、若者が大勢集まります。若者が集まれば、彼らを客にしようと商売人も集まり、さらに人口が集中します。

これは、まさに江戸時代の江戸が町の再開発事業で全国から男たちを集めたことで人口が増えた現象の再現です(参照:『「人口減少」時代への対処は江戸に学ぶといい』)。時代が変わっても、若者は仕事のあるところに集まります。逆にいえば、若者が減るところは仕事がないところです。

もうひとつ、興味深いのは、人口増減と婚姻との相関です。2015年からの5年間の人口増減比とこの期間の累積婚姻率とを並べてみると、実に0.9183と非常に強い相関がみられました。要するに、婚姻数の多さと人口増加が大きく関連しているということです。事実、人口が増えた9都府県のうち、6エリアの累積婚姻率は全国平均を上回ります。最も人口減少している秋田県の婚姻率は最下位です。

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