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愛を信じるか? お金を信じるか?
あえて、二者択一で答えるとしたらどちらでしょうか? もちろん、この2つは二元論として語るべきものでは本来ありません。「愛があればお金がなくてもいいのか」ということにはならないし、「お金さえあれば愛がなくても生きていけるのか」ということでもありません。
しかし、この「愛か? お金か?」という問いへの答えは、案外社会環境に応じて大きく変化してしまうものでもあります。『「飲酒量が多いほど」生涯未婚率が高まる事情』でも書いたとおり、景気がよければ、お金の価値より愛の価値が高まり、結果として婚姻率も高まっていました。景気が悪くなれば、愛より金の価値が高まり、婚姻率も連動して下がるわけです。
愛か金か、時代によっても変わる
では、景気がまだよかった頃の1992年と現在の2018年とで「愛を信じる」vs「お金を信じる」人の割合の差分が、どれくらい変化したのかを比較してみましょう。男女年代別に比較したのが下のグラフです。
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26年前と比べると、男女とも愛への信頼を失っていることがわかります。1992年は、男女各年代ともすべてが「愛を信じる」ほうが多数派でした。
ところが、2018年は逆転されて、すべてが「お金を信じる」方向にシフトしています。特に振れ幅が大きいのが、男性のほうです。ご存じのとおり、生涯未婚率が急激に上昇したのは1990年代以降ですし、離婚率の上昇も同様です。
愛を信じられなくなったから結婚しなくなったのか? 結婚できなくなったから愛を信じられなくなったのか?
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