少子化問題に決定的に欠けている「少母化」視点 30年前も今も有配偶女性の約8割は子持ちだ

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少子化問題の本質的な原因について考えてみます(写真:Xeno/PIXTA)
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「出生数が統計開始以来最少84万人」「合計特殊出生率が前年よりさらに下がって1.34」──。

これは、6月上旬に発表された厚生労働省「2020年人口動態統計月報年計(概数)の概況」を受けて、報道各社が見出しとして使った言葉です。

少子化は「急に発生した国難」ではない

さて、この「少子化が止まらない」系のニュースは、月報ベースでも、速報ベースでも、今回の概数ベースでも、厚労省の発表のたびに同じ事実を繰り返し報じては、そのたびにまるで「急に発生した国難」かのごとき煽り方で、同時に政府の少子化対策の不備批判につなげる流れが、ひとつの定番となっています。

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この連載でも何度も申し上げていますが、少子化は不可避です。

そもそも、少子化自体が1974年「子どもは2人まで宣言」が出されたように、むしろ国策として奨励されたことに起因します(参照:『日本で「子どもは2人まで」宣言が出ていた衝撃』)。

結果的に、1975年以降の出生数は下がり続けています。戦後まもなく第1次ベビーブームと1970年代前半には第2次ベビーブームがありましたが、本来到来するはずだった1990年代後半の第3次ベビーブームがなかった時点で、今後出生数が上がらないことは確定したと言えます。

なぜなら、第3次ベビーブームで生まれるはずだった次世代の子を産む母親が誕生しなかったからです。

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