30年後、日本は「明るい廃墟モール」だらけ!? ピエリ守山に学ぶ、失敗するモール・成功するモール

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イオンレイクタウン開業当時(2008年10月)の様子 (撮影:尾形文繁)

客の回遊性を高める動線とは

さて本題に入ろう。成功するショッピングモールの作り方である。船場が手がけたイオンレイクタウンの年間客数は約5000万人。ディズニーリゾートの約3000万人を軽く上回る。

(撮影:尾形文繁)

モール作りの原理原則は、「お客様をモール全体に行き渡らせること。いかにストレスなく歩いて、楽しいと思わせ、気分を高揚させるか。回遊性を高める動線計画が重要です」(鈴木さん)。 

(撮影:尾形文繁)

まずは横の動線。客の流れによどみを生じさせないよう、行き止まりや回りにくい箇所を作らないようにする。通路の突き当たりはよどみやすいので、目的の明確な店舗「目的核」を配置する。家電量販店や書店、CDショップなどだ。

(撮影:尾形文繁)

通路はカーブにして、100メートル先ぐらいまで見渡せるようにする。少し歩くと先が見えて、また少し歩くと先が見える。いろいろな店に目が行き、気づいたら歩いてしまっているのがよい。

できれば店の入り口は狭くして奥行きを深くする。通路からたくさん店が並んでいるように見えたほうが、楽しくそぞろ歩きができる。

(撮影:尾形文繁)

それなら通路を直線にしてしまえば、ずっと先のほうまで見渡せるのではないか。

「先がかすんで見えないほど直線が長いと、歩くのが嫌になります(笑)。かすむほど先までは見せない。でも、カーブがきつすぎると、今度は突き当たり感が出て、先の見通しが立ちづらい。その微妙な加減を計算しています」(鈴木さん)。

(撮影:尾形文繁)

通路をカーブにして、ぐるっと回るサーキット型にすれば、往復で同じ通路を通らないので飽きない。それで今はサーキット型がモールのトレンドだ。

しかし、巨大モールをそぞろ歩きするのは楽しい反面、疲れる行為でもある。休憩スポットは細かく取る。

(撮影:尾形文繁)
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