人々は何に魅せられてショッピングモールに行くのか? 人気ショッピングモールの背景を5日連続で分析する。3日目は、イオンモールと吉本興業がタッグを組んだ目的を追う。
「よしもと幕張イオンモール劇場」を作ったワケ
千葉市海浜幕張駅の出口で、若手芸人らしき男性が「よしもと幕張イオンモール劇場」のチラシを配っている。「芸人らしき」というのは、テンションは高いが腰は低く、一瞬で人の心に入るプロフェッショナリズムを感じさせるからだ。
送迎バスに乗って8分、イオンモール幕張新都心に到着した。ここは2013年12月にオープンした「体験・体感型モール」の旗艦店である。
全国各地にショッピングモールが増えるにつれて均質化が進み、いかに差別化していくかが課題となってくる。モノを買うだけなら、アマゾンで十分だ。わざわざショッピングモールに行って買う理由がない。
イオンモールが打ち出すのは、「コトを通したモノの提供」である。その「コト」が各モールで異なるという。
「お客様がイオンモールに求めるものは変化しつつあります。それぞれの商業施設における環境、規模、地域特性などにより千差万別なので、その対応としてのアウトプットはさまざまです」と、イオンモール広報部の尾上雅博さんは説明する。
単に「モノ」を買うだけの場ではなく、エンターテインメントをはじめ、さまざまな「コト」を提供していこうとしている。そのひとつが、吉本興業とタッグを組んだ「よしもと幕張イオンモール劇場」なのだ。
イオンモール幕張新都心の独自コンセプトは、「“夢中”が生まれる場所」。夢中になれる「コト」を提供するらしい。大人向けの「グランドモール」、親子3代に向けた「ファミリーモール」、ペットライフを楽しむ「ペットモール」、スポーツと家電の「アクティブモール」の4つの棟で構成され、とにかく広くて大きい。「ファミリーモール」の3階に、子どもが職業体験できる「カンドゥー」があった。カンドゥーで感動体験……。そして、「グランドモール」の3階に、よしもと劇場があった。
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