「アボカド」の生産に必要なかなり驚くべき水の量 生産地の水不足招かない食材どう選べばいいか

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そうした状況下で大規模資本が、需要に合わせてアボカドの生産を行い、大量に地下水を使用したり、貯水池に水をため込んだりしている。そのため地域の水道用水がなくなるなど、企業と水道との水争いも起きている。また、ブームによって生産地に多くの資金が流入するにつれ、ギャングやマフィアが関わるようになり、生産者の命が脅かされるような危険事態も起きている。

輸入業者、販売者は生産地の情報を開示すべき

日本はアメリカに次ぐ世界第2位のバーチャルウォーター輸入国。日本で1年間に使用している水の量は生活用水、工業用水、農業用水を合わせて約809億m3(国土交通省水管理・国土保全局)。それを総人口1.2616億人、365日で割ると1人が1日当たり使用している水の量は1756Lになる。

仮に朝昼晩3食カレーライスだったとして、仮想水量は751L×3=2253Lになり、国内の水資源の1人が1日当たり使用している水の量を上回ってしまう。

(資料:筆者提供)

それなのに日本の水がなぜなくならないかというと、海外の水に頼っているからだ。自給率を上げる努力をしつつ、生産地の水の量や水の使い方に気を配る必要がある。

アボカドを食べるのがダメというわけではない。水不足の地域で、水を乱暴に使ってアボカドを作らせ、地域住民に迷惑をかけたり、生態系に悪影響を与えることが問題なのだ。そうしたアボカドを買ったら、環境破壊や犯罪に関与していることになってしまう。

アボカドを買うなら、水を大事に使いながらアボカドを作っている人から買いたい。輸入業者や販売者は、積極的に生産地の情報を開示し、消費者を、環境破壊や犯罪に関与させない努力をすぐに行うべきだろう。

橋本 淳司 水ジャーナリスト

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はしもとじゅんじ / Junji Hashimoto

武蔵野大学客員教授。アクアスフィア・水教育研究所代表。Yahoo!ニュース個人オーサーワード2019。国内外の水問題と解決方法を取材。自治体・学校・企業・NPO・NGOと連携しながら、水リテラシーの普及活動(国や自治体への政策提言やサポート、子どもや市民を対象とする講演活動、啓発活動のプロデュース)を行う。近著に『67億人の水』(日本経済新聞出版社)、『日本の地下水が危ない』(幻冬舎新書)、『100年後の水を守る 水ジャーナリストの20年』(文研出版)、『水がなくなる日』(産業編集センター)など。

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