大量廃棄・日本人に「地球1個分の生活」は可能か 「エコロジカル・フットプリント」という指標

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福田稔氏(写真左)と伊勢谷友介氏が、お互いの活動を通して見えてくる「サステイナブルなアパレル事業」について語りました(撮影:今祥雄)
「デジタル化」や「サステイナビリティ」といった変革が進むなかで、アパレル業界の現状と未来、そして日本の課題に深く切り込んだ『2030年アパレルの未来 日本企業が半分になる日』を上梓したローランド・ベルガーの凄腕コンサルタントの福田稔氏が、俳優業、監督業とともに、「リバースプロジェクト」の代表として長年草の根からの環境問題・社会問題を軸とした活動を続けてきた俳優・伊勢谷友介氏と対談を行った。
前回記事「アディダス「海洋廃棄物から靴を作る」本気度」に引き続き、「アパレル業界のトップコンサルタント」として活躍する福田氏と、「環境負荷の少ないアパレル製品などをプロデュース」している伊勢谷氏の両氏が、お互いの活動を通して見えてくる「サステイナブルなアパレル事業」について語る。

日本は「7.1個分」ないと自給自足できない

福田:グローバルでは「エコロジカル・フットプリント」という指標があります。これは「人類が今の生活をし続けたら地球がどれぐらい必要か」という、人類が地球環境に与えている負荷を示すものです。現在、世界の人の暮らしを支えるために、地球は1.75個分必要になっていて、すでに許容量を超えています。

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伊勢谷:それは、開発途上国も含めてですよね。当然だけど、先進国ほど環境に与える負荷が高く、開発途上国は総じて低い。

福田:また、世界中の人たちが「日本のような生活」をしようとすれば、地球は2.9個分必要になると言われています。

伊勢谷:全世界で地球2.9個分ですか。

福田:そうです。ちなみに、「アメリカのような生活」なら地球5個分必要です。そして、「日本の需要を国内だけで賄おう」としたら、日本は7.1個分ないと足りないそうです

伊勢谷:そんなに? もっと少ないと思っていた。

福田:何年かに1回アップデートされているので、どんどん数値も変わっていると思います。

伊勢谷:そうなんですね。僕らは本来、「地球1個分の生活」を目指さなければいけない。しかし、アパレル関連では、このような環境の与えている負荷については、あまり知らない人が多いように思います。

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