大量廃棄・日本人に「地球1個分の生活」は可能か 「エコロジカル・フットプリント」という指標

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伊勢谷:日本人の大量廃棄といえば「フードロス」も注目されていますが、日本のフードロスがいちばん多く出ているのはどこだか知っていますか。実は「家庭」なんです。

最大のフードロスは「家庭」から出ている

福田:環境省によれば、平成29年度のフードロスは、家庭が284万トン、事業者が328万トンです。ただし事業者は、外食(127万トン)、小売り(64万トン)、メーカー(121万トン)などさまざまな業種で構成されています。つまり、家庭は、事業者で最大の外食産業の2倍以上のフードロスを生んでいるのです。

伊勢谷 友介(いせや ゆうすけ)/リバースプロジェクト代表・俳優・監督。1976年、東京都生まれ。 東京藝術大学美術学部修士課程修了。1998年より俳優として活動。2002年、初監督作品『カクト』が公開。2009年、様々な才能を持ったアーティスト・プロデューサーが集結し、「人類が地球に生き残るために」をテーマに、新たな価値とモノの創造、社会貢献活動を行う株式会社リバースプロジェクトを設立(撮影:今祥雄)

伊勢谷:買っても「賞味期限が過ぎたらすぐ捨てる」のでしょう。賞味期限と消費期限は違うんですけどね。実は「もったいない」は、家庭では全然機能してないんです。

福田:日本人1人当たりのフードロスを計算すると、年間約50キログラムになります。日本の食料自給率は40%弱ですから、食料の多くを海外から輸入して調理・加工し、皆で大量に捨てているのが現実です。そもそもつくりすぎですね。

伊勢谷アパレルと一緒で商品数が多すぎる

福田:絶対に廃棄が出てしまいますよね。みんな高齢化の中で食べる量は減っていくのに。いまは選択肢が異常なぐらいあります。

伊勢谷:がっちりあるほうが売れたんじゃないですか。ないところより、あるほうが売れたという……。でも、一般的に考えたら「あるほう」に行きますよね。

福田:消費者はそれに慣れてしまって。とにかくメニューが多くて、つねにつくりたてのものがあるという……。海外に行くと「日本のコンビニはすごいよね」みたいな感じがありますが、「後ろにどれだけの無駄があるか」というのは理解してない

伊勢谷:そこは教育とか、われわれが啓蒙していかないといけないなと思います。

福田:第一生命研究所の調査によれば、新型コロナウイルスによる生活意識の変化の中で、「フードロスを減らしたい」という項目が全体の第4位、9割弱の方に支持されたそうです。ポストコロナでは、消費者の中で「社会協調志向」という価値観が強まりますので、今後フードロスのような社会課題にはより注目が集まると思います。

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