アディダス「海洋廃棄物から靴を作る」本気度 「環境問題をビジネスに変える」日本への教訓

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福田稔氏と伊勢谷友介氏による対談第2回。今回は「アディダス」を事例に、「環境問題」とアパレル産業について語りました(写真:winhorse/iStock)
「デジタル化」や「サステイナビリティ」といった変革が進むなかで、アパレル業界の現状と未来、そして日本の課題に深く切り込んだ『2030年アパレルの未来 日本企業が半分になる日』を上梓したコンサルタントの福田稔氏が、俳優業、監督業とともに、「リバースプロジェクト」の代表として長年草の根からの環境問題・社会問題を軸とした活動を続けてきた俳優・伊勢谷友介氏と対談を行った。

前回記事(「新品の服は1年買わない若者」は急増するか)に引き続き、「アパレル業界のトップコンサルタント」として活躍する福田氏と、「環境負荷の少ないアパレル製品などをプロデュース」している伊勢谷氏の両氏が、お互いの活動を通して見えてくる「サステイナブルなアパレル事業」について語る。

欧米に比べて日本はまだ「環境意識」が低い

福田:日本はアパレル市場が大きくて、アパレルの会社はたくさんあるんですけれども、「環境問題」については、やはり海外アパレル企業のほうが進んでいます。「なんとか日本も変えていきたい」というのが、私の思いとしてすごくあります。

伊勢谷:福田さんのご著書『2030年アパレルの未来 日本企業が半分になる日』を拝読して、日本の遅々としたアパレル産業の構造を強烈に実感しました。海外ではサステイナブルを実現しながら、経営もうまくいっているという会社もあると聞きます。

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福田:例えば、アメリカの「リフォーメーション(Reformation)」は、自分たちの生産体制で、「CO2の排出量」「水の使用量」「ゴミの排出量」などを消費者に公開しています。

アメリカは消費者意識が高いので、こういった会社に多くのファンがつく。

「リフォーメーション」は、創業5年くらいで売り上げが数十億円後半まで急成長し、昨年欧州のプライベートエクイティーファンドの「ペルミラ」に高値で買収されました。

伊勢谷:日本と比べると、やはり欧米は環境意識が高いですよね。

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