次に仮想水マップをつくる。地図上の生産地に水玉シールを貼っていく。大きな水玉は100L、小さな水玉は10Lを示している。
ジャガイモが北海道産だったら、北海道に小さな水玉を5個半。玉ねぎが千葉産だったら千葉県に小さな水玉を4個。豚肉は国産だったが、飼料となるトウモロコシ、小麦、こうりゃんなどを、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどから買っている。ここでは飼料がアメリカ産トウモロコシだったと仮定して、大きな水玉11個と小さな水玉8個を貼る。
肉じゃがを作った場合、これだけの水がさまざまな場所から食卓に集まってくるとわかる。
生産地の様子を調査する
次に生産地の水資源量や利用方法について考える。
その場所の水資源量が豊富で、持続可能な水利用を行っていれば、生産に水を使っても、環境に与える影響は少ない。反対に水資源量が少なく、荒っぽい使い方をしていれば、環境に与える影響は大きい。
肉じゃがについて調べた高校生は、トウモロコシの生産地であるアメリカの水ストレス(水不足によって日常生活に不便を感じる状態)をAqueduct Water Risk Atlasで表示させた。
アメリカは中部から西部に水ストレスの高いエリアが広がっており、持続的な水利用に黄色ランプが点灯しているといえる。
どのような水利用をしているかも考える必要がある。
アメリカ中西部には「世界のパンかご」といわれる大農業地帯があり、小麦、大豆、トウモロコシなどが栽培されている。ここにはオガララ水系という世界最大級の地下水脈が南北に走っている。深井戸から地下水をくみあげてスプリンクラーで畑にまいているが、地下水のくみ上げすぎで、枯渇が懸念されている。
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