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「暑い、のど乾いた。何か飲みものちょうだい!」
「はい、雨水どうぞ!」
こんな場面で、あなたは雨水を飲むだろうか。アクアスフィア・水教育研究所が行った「雨水に関する意識調査」によると「雨水を飲めると思う」人は47%。だが、「実際に飲んだことがある」人は30%だった。何となく飲めるような気がするが、実際に飲んだことがある人は3分の1以下。やはり雨水を飲むことには抵抗感があるのだろう。
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「雨水」を使ったソーダが登場
そんな中、雨水を原料とした飲料があると知った。「あまみずソーダ」「あまみずサイダー」がそれだ。キャップを開けると「あまみずソーダ」は、かすかに甘い香り。飲むと普通の炭酸水だが、「やや炭酸強め」に感じる。次に「あまみずサイダー」もゴクリと。こちらはまろやかな甘味のサイダーだ。
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それにしても、なぜ雨水でソーダを作ろうと考えたのか。「雨水はきれいであることを知ってもらうために作りました」と話すのは、雨水の専門家集団「あめぐみ」(雨水生活普及委員会)のメンバーの1人である、笠井利浩さん(福井工業大学環境情報学部環境食品応用化学科教授)だ。
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笠井さんは長崎県五島市にある赤島で「五島列島赤島活性化プロジェクト」を立ち上げていた。日本の水道普及率は98%だが、赤島には水道施設も井戸も湧水もないからだ。どうやって水を得ているかといえば、少量の雨水をためて生活していた。
プロジェクトでは、雨水を活用した給水システムを構築。島の中心部にポリカ波板製の集水面を設置し、自然の流れで水を集落まで運ぶ。空気中の汚れを含んでいる降りはじめの雨はコンピュータ制御で除去。きれいな雨だけを貯留槽にため、ポンプで各家庭へ供給した。
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