「熟年離婚が怖い」「子どもに嫌われる」60代男性の悩み。パートナーや子どもに依存しないで生きるには?精神科医・和田秀樹氏の処方箋

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喪失感の壁
定年を迎え、気付いたら妻も子も……。そんな喪失感と向き合うには?(写真:shimic/PIXTA)
医療の発達により平均寿命が飛躍的に延び「人生100年時代」となった現代、高齢者専門の精神科医・和田秀樹氏によれば、「人生後半をむかえた人々は、喪失に対する心得にも変化が必要」とのこと。
かつて「老後の始まり」だった60代は、現代では「人生の新しい章の始まり」であると同時に、「家族や友人との付き合いがガラリと変わる転換期」でもある。つまり、喪失感の塊が襲いかかってくる年代だといいます。
和田氏の著書『喪失感の壁』から一部を抜粋・編集し、人生後半で訪れる喪失感とどう向き合い、どう乗り越えていくかの具体的なヒントをお届けします。
質問)変わってしまった妻。熟年離婚を切り出されそう
若い頃から、仕事一筋で生きてきました。やっと定年を迎え、子どもたちも独立しました。これからは同世代の妻とふたり、ゆっくり旅行など、のんびりとした時間を過ごせると楽しみにしていたのですが……。
専業主婦の妻は、どちらかというとおとなしく、私が決めたことになんでも乗ってくれる受身なタイプでした。ところが現在、地元の趣味サークルやボランティア活動に積極的に参加していて、毎日のように出かけています。まるで私のいない人生を楽しんでいるかのようにすら感じます。
先日「一緒に温泉旅行でも行かないか」と誘ったのですが、あっさり「予定が詰まってるから無理」と断られてしまいました。まさか自分が必要とされない日が来るとは思いませんでした。
「家族のために」と一生懸命働いてきたのに。最近は面倒くさがられている気もして、熟年離婚を切り出されないか心配する毎日です。変わってしまった妻に、どう接していけばいいでしょうか。(60代後半・男性)

突然変わったのではない

仕事一筋で来られた方ほど、定年を機に「これからは家族を大切に」「夫婦でのんびり」と願う傾向が見られます。ですが実際には、思い描いた通りにならないことも多く、そのギャップが喪失感として表れる。

家族に関する喪失感も、定年以降に深刻になることの多い問題ですね。

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