「熟年離婚が怖い」「子どもに嫌われる」60代男性の悩み。パートナーや子どもに依存しないで生きるには?精神科医・和田秀樹氏の処方箋
合わせようと無理をするよりも、まずは、自分が楽しめる趣味などを始めてみてはいかがでしょうか。仕事一筋でこられた方ほど、会社以外のつながりがなく、定年後に戸惑う傾向があります。
またシニア期以降、男性が元気を失い、女性が活発になる現象はよくあることです。男性は更年期以降、元気の源である男性ホルモンの分泌が低下するのですが、女性は女性ホルモンの分泌が低下する代わりに男性ホルモンの分泌が増えます。
だから、しょんぼりとしおれた男性が、元気な奥さんに濡れ落ち葉のようにしがみついている、という構図になるのですが、それは非常にもったいない。
これは、熟年離婚を切り出された場合でも同じです。そうなった場合は、しがみつかずに受け入れたほうが賢明です。
実際、昔に比べて熟年離婚の割合は増えています。奥さんが専業主婦だったとしても財産分与もあり、60代ならまだまだ仕事もありますから。
長年のパートナーといえど、人の価値観は変わるものです。せっかく自由な時間ができたんです。話の合わない相手や一緒にいて気が重くなる相手、あるいはそう思われている相手と一緒に過ごすよりは、ひとりでのびのびと過ごすか、もっと自分に合う人を探したほうがいい。
いずれにしても60代、まだまだこれからです。
お互いに独立した「個人」
親子とはいえ、気持ちや意見がすれ違うことは、珍しいことではありません。欧米と比較して日本では、家族や親子の干渉が非常に強い傾向があります。それにより、互いの境界線が曖昧になりやすく、関係がこじれる一因にもなっています。



















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