「熟年離婚が怖い」「子どもに嫌われる」60代男性の悩み。パートナーや子どもに依存しないで生きるには?精神科医・和田秀樹氏の処方箋
親子関係で問題が起きたとき、まずはお互いに独立した個人であることを尊重する視点を持ってほしいですね。
親は、子どもが幼いうちは扶養の義務があり、子が自分の人生を歩めるようサポートが必要ですが、しかるべき時期にはしっかりその手を離すことも大切です。
嫌われてしまったなら、それも仕方がないこと。日本では親子間の境界線があいまいなために忘れられがちですが、親子であっても、相手の気持ちを変えることはできません。変えられるのは自分の行動だけです。
子どもが成人したら、もう親の役目は終わり。別々の人生だと考えたほうが、お互いに楽ですよ。
「子どもに財産は残すな」の理由
何かをしてあげたいのであれば、たとえばお孫さんのお祝いごとなどのタイミングで、気持ちを伝えるのは自由です。その場合も、あまり重くならずに、拒否されても仕方ない、くらいの感覚でいたいですね。
「好かれたい」だとか、「お礼の連絡がほしい」といった見返りを求める気持ちが少しでもある場合は、何もしないほうがましです。「老後の面倒を見てほしい」は論外ですよ。そういう下心を持って接すると、間違いなく関係が悪化します。
また、私は常々「子どもに財産は残すな」「自分で稼いだお金は、自分で使い切って死んでいきましょう」と言っています。
もともと「親と子の人生は別」という考え方でしたが、富裕層の高齢の患者さんが亡くなられたあとの、醜い財産争いをさんざん目のあたりにしてきて、間違っていなかった、と確信するにいたりました。
逆に、親子でべったりと仲が良い家族のほうが危うさを覚えます。親が子どもを積極的に手助けし続けることで、子どもが自立することを難しくしてしまうことがありますから。
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