日本人が無駄にしている「雨水」は飲めるのか 大量の雨水を利用しないなんてもったいない

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「雨水は混じり気が少ないぶん、味や香りがつきやすい。今回の少量の試作は、普段、福井の名産飲料「さわやか」が製造されているラインで行われました。そのフレーバーがほのかに香る仕上がりになりました。

雨水は変なにおいがするのではないかと思っている人も多かった。飲んでもらうことで雨水の安全性を理解してもらうことができました。日常的に雨水を飲用に使って欲しいとは言いませんが、災害時などの生活用水に積極的に利用してもらえればと思います」(笠井さん)

「あまみずソーダ」「あまみずサイダー」は雨のイメージを覆したと言える。

雨が大量に降るのに利用していない

日本は国土の四方を海に囲まれ、あらゆる方向から湿気を含んだ風が吹き込む。それが山々にぶつかり雨をもたらす。海上も含めた日本の年間平均降水量は約1710ミリ。もし雨がその場に止まり蒸発もしなかったなら、成人男性がすっぽり浸るほどの雨が降ることになる。

雨水利用の普及に努めたドクター・スカイウォーター(雨水博士)・村瀬誠さんにかつてこんな話を聞いた。

「日本人は水が大切だと思いながらも、梅雨時など大量に降る雨水を利用しようなどとは考えもしない。雨の日に、ガソリン価格の倍もするようなペットボトル入りのミネラルウォーターを飲みながら、雨がやんで晴れるのをただ眺めている。その目の前で、雨はアスファルト脇の溝に流れ込み、どこぞの川に流れては利用されずに海に向かってしまう」

近代の町づくりにおいては、雨は洪水をもたらす「やっかいもの」と考えられてきた。下水道法では雨水は「下水」という扱いになっている。降った雨は、下水道を通じてすみやかに街の外へ追い出すべきものと考えられてきた。さらに最近は大量の雨が災害を引き起こすため、雨のマイナスの面だけがクローズアップされている。

笠井さんが行った検査からもわかるとおり、雨水は汚水ではない。降り始めこそ、大気中の粉塵などといっしょに降下するので汚れているが、降り出してから30分以上たった雨の水質はきれいだ。

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