タピオカや恵方巻を捨てまくる社会のゆがみ

「目先の利益」だけを追う店も後を絶たない

タピオカ店や恵方巻を販売する小売り店舗では、売り上げを作るために、必要以上に食品を販売する店もあります。(写真:mits/PIXTA)

食品関連企業の中には、稼ぐ金額さえ多ければいいという会社がある。毎日、山のように食べ物を捨てているのに、悪びれもしない業界すらある。

筆者がテーマとする食品ロスでは、例えば恵方巻の廃棄が毎年問題となる。2020年1月17日に発表された農林水産省の調査によると、小売企業75社のうち87%が2018年度の廃棄率(金額ベース)より減少している。

昨年1月には農林水産省が小売業界に対し、「恵方巻は需要に見合った数を売るように」との通知も出し、大手コンビニやスーパーは、ある程度理解を示した。ところが、筆者が行った取材では「前年より多く売る」という声も聞こえてきた。

売り上げ増にこだわる小売り各社

今年2020年1月も、農林水産省は小売業界に対し、恵方巻のロス削減を呼び掛けた。実際に2月3日の節分当日に首都圏にある百貨店やスーパー、コンビニで学生スタッフにも協力してもらい、計101店舗でリサーチを行った。足を運んだ店舗では完売する店も多く、コンビニは50店舗中、1店舗あたりの平均売れ残り数が6本。スーパーが19店舗中、2本だった。ただ百貨店では26店舗中、18本の売れ残りがあり、まだまだ改善の余地がありそうだ。

また近年食品ロスで問題視されているのがタピオカだ。東京商工リサーチによると、タピオカに関するビジネスを運営する企業は2019年8月末時点で60社に上り、同年3月からほぼ2倍に急増している。だが、そんなタピオカの販売業者の中にも、ただお金さえ得られればいい、という会社も少なからずある。

調理前のタピオカは乾燥しているので、賞味期限はあれども、比較的長く保存できる。ただし、一度水に戻して調理したタピオカは、すぐに消費しなければ品質が劣化してしまう。

筆者が取材を進めると「賞味期限をさらに延ばすため、タピオカをシロップ液に漬け込んでいる業者もいた」との声もあった。だがガムシロップの投入は、口にしてしまった人の健康面にも影響を与えることになる。販売数のみを追いかけていると、健康被害を及ぼす可能性もでてくるのだ。

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