もう1つ、楽天モバイルが魅力なのは、国内通話料が無料になるということだ。先に挙げたように、1GB以下は0円のため、それさえ超えなければ、無料で電話もかけ放題になる。ただし、電話が無料になるのは「Rakuten Link」と呼ばれるアプリから発信した場合のみ。iPhoneに標準で搭載されている「電話」アプリから電話をかけると、30秒22円の料金がかかるため注意が必要だ。
Rakuten Linkはデータ通信網を使って電話をかける仕組みで、Wi-Fi接続時や他社回線で通信している場合でも発信可能。つまり、データ使用量を1GB以下に抑えておけば、事実上、かけ放題を無料で追加できることになる。他社の場合、音声通話の完全定額は1870円から1980円ほどかかる。この料金を節約できるのは大きい。
注意点は、今後予定されているRakuten Linkのアップデートで、折り返しの電話がRakuten LinkではなくiPhoneの標準の電話にかかるようになってしまうことだ。その着信に対して電話アプリで折り返すと、通常の電話料金が発生する。無料通話の恩恵を受けるためには、必ずRakuten Linkから発信するようにしたい。
auローミング時は高速通信をオフにする
エリアが急激に拡大している楽天モバイルだが、地方ではまだ穴があるのも事実。都市部は屋外なら、問題なく通信できる程度までエリアが広がっているものの、地下街や建物内でつながらくなるケースはある。それを補うため、楽天モバイルはKDDIとローミング契約を結んでおり、一部の場所ではauの800MHz帯に自動で切り替わる。
厄介なのが、auローミングだと5GBまでという制限があることだ。これを超えると、ローミングエリアでの通信速度が1Mbpsに制限される。ニュースサイトやSNSアプリを開くぶんには1Mbpsでも十分だが、画像が多用されていると、読み込みに時間がかかることも。動画も、解像度を落とさなければ、スムーズに再生することができない。サイズの大きなアプリや画像のダウンロード、アップロードにも時間がかかる。
しかも、8月まではiOS版の「my 楽天モバイル」だと、楽天モバイル回線とau回線のどちらにつながっているかを表示できない。そのため、いつの間にかau回線でデータ通信を使いすぎてしまい、速度制限がかかってしまうおそれもある。現時点でどちらの回線につながっているかを確認したいときには、iPhoneの隠れ機能を使うといい。「フィールドテストモード」がそれだ。電話アプリのキーパッドで、「*3001#12345#*」と入力し、発信ボタンを押すと起動する。
フィールドテストモードを開いたら、「Serving Cell Info」をタップ。さまざまなパラメーターが表示されるが、ここでは「freq_band_ind」という項目をチェックする。これは、接続中の周波数帯を示す数字だ。ここが「3」になっていれば、楽天モバイルの自社回線に接続しているということ。「3」は「Band 3」を意味しており、1.7GHz帯でつながっているときにこの数字が出る。au回線の場合は、「18」や「26」という数字になる。「3」以外だったら、au回線だと考えていいだろう。
au回線につながっているときに、データ量を節約したければ、高速通信をオフにすることも可能だ。方法は、「my 楽天モバイル」アプリで「データ高速モード」をオフにするだけだ。オフにしたままでも、楽天エリアでは速度制限がかからない。先に挙げたように、1Mbpsあれば、サイトの閲覧などはできる。高速通信が必要なときだけオンにすれば、5GBの制限を超えることは少なくなるはずだ。
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