成績はいいのに「内申点が低い子」に足りないもの 先生は結果よりも「プロセス」を重視している

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成績はいいのになぜか「内申点が低い子」の特徴とは?(写真:Fast&Slow/PIXTA)
定期テストの成績は上位なのに、なぜか内申点は低い……。そんな壁にぶつかった中学生のA君の実例をもとに、「内申点をすぐに上げる方法」や「先生が内申点をつけるルール」について解説。日本で唯一“内申点アップ”に特化した「後成塾」の塾長・桂野智也さんの著書『高校受験は「内申点アップ」が9割』より一部抜粋・再構成してお届けします。

「高校入試の合否は〝内申点〞で決まります」

私がそう断言すると、「知ってますよ〜。内申を上げるために、うちは学級委員に立候補しました」「そうそう。部活の部長とかやると、内申に有利なんですよね?」「検定や資格を持っているといいんでしょ?」「うちの子は授業中に手を挙げて積極的に発言するのが苦手だから、内申点が心配……」「宿題や提出物をよく忘れるから内申点が低くって……」

そんな声が上がります。みなさん、まわりが「内申点が大事」と言うから気にはなるけれども、その評価方法や内申点の上げ方については、「知ってるつもりで、実はよくわかっていない」という方がほとんどなのです。

ここでは、親世代が知らない「内申点の誤解」を紹介しましょう。その前に、高校受験でよく言われる「内申点」「内申書」という言葉を定義しておきます。

内申点(正式には「評定合計」):通知表の5段階評定の数値を、9科目合計したもの。

内申書(正式には「調査書」):内申点(評定合計)を含め、行動の記録や生徒会活動などの評価がすべて記入されている、高校側に行く書類。

一般に、公立高校受験では、学力検査と内申書の評価を合わせて合否を判定します。後述するように、推薦入試や私立高校入試でも、内申点の最低基準が設定されている学校が少なくありません。

テストの成績と内申点は比例しない!

「内申点を上げるいちばんの方法は定期テストで良い点をとることだと思っていました」

お母さん、お父さんからいちばんよく聞く声です。実際、多くの塾では定期テスト対策に力を入れ、定期テストの点数アップをうたっているところもあります。

子どもの学校での様子がわからない一方で、テストの点数は親が目にしやすいものです。それだけにどうしてもテストの点数にばかり目が行きがちです。

でも、考えてみてください。高校受験では、当日の入試の点数と内申点で合否が決まります(その割合は都道府県や高校によって違います)。そんな大事なものをないがしろにしていいのですか?

もちろん、内申点アップに定期テストの点数は大事です。ところが実際には、内申点は、定期テストの点数に比例するようにつくわけではありません。だからこそ、「定期テストの点数がいいのに、なんで内申点がこれしかないの?」「なんであの子のほうがテストの点数が低いのに、内申点が上なの?」ということが起こるのです。これは「内申点のつけ方」を誤解しているから起こることです。

論より証拠で塾生の内申点がアップした例を紹介しましょう。

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