あなたはどのタイプ?「働く人としての価値」4種 キャリア構築に役立つ「マーケティングの英知」

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この2つの軸を使うことで、価値を4つの象限に分けることができます。1つひとつがどんな価値か、説明していきましょう。

「人材としてのあなた」はどの価値を提供している?

①実利価値:いま、役に立つこと

まず、「役に立つ」機能的な価値で、「いま目の前にある」顕在的な価値。私はこれを「実利価値」と呼んでいます。

例えば、スーパーのプライベートブランド品などで「◯◯2000mg」などとパッケージに謳っているドリンク剤を見たことはないでしょうか。ここで訴求されているのがまさに「実利価値」です。「滋養強壮や肉体疲労の回復に役に立ちますよ。その証拠に◯◯がこんなに入っていますよ」ということをストレートに訴えています。

②保証価値:何かあったときに役立つこと

次に、「役に立つ」けれど「今、目の前には現れていない」潜在的な価値。私はこの価値を「保証価値」と呼んでいます。

例えば製薬メーカーのドリンク剤は、会社のロゴがパッケージに大きく印刷されています。かつ日光を遮蔽する茶色い瓶を使い、いかにも薬っぽく見せることで、品質の確かさを訴求しています。品質はしっかりしている、万一何かあってもちゃんと責任を取ってくれそう。そんな「保証」をアピールしているのです。

これらは日本製の「ドリンク剤」に多いアプローチです。対して、モンスターエナジーやレッドブルなど、輸入系の「エナジードリンク」は、これらとはまったく異なる価値を訴求しています。

③評判価値:「アクセサリー」のように意味があること

情緒的な価値が顕在的であるというのは、その価値、つまりその人にとっての意味が、他人との関係性において発生すると考えてください。私はそれを「評判価値」と呼んでいます。

例えば、田中先生の研究室にモンスターエナジーが置いてあるのを、学生が見つけたらどうでしょう。「先生がまた頑張ってらっしゃる!」「何か新しいことにチャレンジしようとしているんだ!」とポジティブに捉えてくれるのではないでしょうか。

一方、そこに滋養強壮のためのドリンク剤が置いてあったら、「先生、大丈夫? 疲れているのかなぁ……」と心配の声が上がりかねません。つまり、モンスターエナジーを飲むことで、ポジティブでアグレッシブなイメージを身にまとうことができる。「評判価値」はこのように、アクセサリー的な「意味」だということができます。

次ページ4番目の「共感価値」とは何か
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