TikTok運営「バイトダンス」張一鳴CEOが退任の訳 共同創業者にその職を引き継ぐことを宣言した

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TikTokの運営会社である字節跳動科技の張一鳴氏がCEOの職から身を引く。写真はイメージ(編集部撮影)

ショート動画アプリTikTok(ティックトック)を運営する中国の字節跳動科技(バイトダンス)の創業者である張一鳴氏が経営の第一線から身を引くこととなった。5月20日、張氏は全社員に対してメールを送信し、自身が同社のCEO(最高経営責任者)を退任し、共同創業者の梁汝波氏にその職を引き継ぐことを宣言した。同社は、張氏が退任後、社内で新たな職位に就くかどうかは明らかにしていない。

張氏は社員宛てのメールの中で「今年の年初に私自身の長期的な目標について頭を整理し、CEOを辞めることに決めた。今後は、もっぱら知識の吸収に励み、わが社のCSR(企業の社会的責任)や公益関連の仕事に深く関わっていきたい」と、退任の経緯を述べた。

また理由については、「わが社のビジネスは今のところ良好だが、この状態のままで歩みを止めてはならない。わが社はもっと想像力と存在意義に富んだ会社に変わらねばならない。私が昨年策定した新長期戦略や組織のマネジメント改善、社会的責任の向上、といった3つの年度目標の達成度については決して満足していない」と述べた。

CEOの仕事は受け身になりやすい

このほか、張氏は「以前は機械学習技術(マシン・ラーニング)の動向をフォローし続けようと思っていたが、この3年間はたいして勉強できていない。技術討論会に出席しても、話についていくことが難しくなった」と正直な心情も吐露した。

本記事は「財新」の提供記事です

そのうえで、「仕事と組織が複雑化し、規模が大きくなるときには、会社の中心的な立場であるCEOの仕事は受け身になりやすい。毎日、多くの報告を聞き、たくさんの意思決定を下していると、ものの見方が社内的な観点にとどまりがちで、知識の更新が鈍ってくる」とも語った。

今年の3月、張氏は社内の少人数の幹部と退任に関する話し合いを行い、2021年末までに梁氏にCEO職を引き継ぐ旨の提案を行ったという。

梁氏は、張氏が南開大学の学生だったころの同窓生だ。2009年に両氏は不動産検索サイト「九九房」を共同で立ち上げ、2012年に2人でバイトダンスを創業した。梁氏は一貫して同社の製品開発責任者を務めてきた。

(財新記者:関聡)
※原文の配信は5月20日

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