思春期の子に手こずる親は本質を押さえていない 「干渉しない」は投げやりになることではない

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(理由1)期間が短すぎる

次の会話例をご覧ください。

相談者:「親が勉強に関わらないようしてきましたが、なかなか勉強するようになりません」
筆者:「どれくらい実践されたのですか?」
相談者:「3日間ほどです」
筆者:「3日では、これまでのパターンは変わらないことが多いものです。最低3週間はかかることが多いですね」

このようなやりとりを何度も経験してきました。つまり、やってはみたものの、その期間があまりにも短いというケースです。これまで長い期間継続して作ってきた「干渉パターン」はそう簡単には変わりません。筆者は3週間という言葉をよく使います。新しい習慣を作るための最低ラインが3週間と言われているからです。これまでの実践例では、1週間〜10日で変化が出てくるケースもありますが、一般的には、習慣を変えるためには、短い期間では難しいということです。

(理由2)干渉せず手放しているつもりで、実際は干渉し、手放していない

「子どもの勉強やゲームに干渉しないように」と言われ実行する一方で、次のようなことをしてしまう方にたびたび出会います。

・「そろそろ(勉強の)時間じゃないの?」と暗に示唆する
・(いつまでもゲームをやっていることに)イライラした雰囲気を出す
・「(ゲーム)楽しそうね」と嫌味を言う

このように子どもに対して「勉強、ゲーム、スマホ」という言葉を直接使わなくても、それを示唆する言葉を使っていたり、気にする素振りをみせたりしている段階で「干渉し、手放していない」と考えられます。言葉にはしなくても、態度で表すのも1つの意思表明です。それはやはり干渉であり、子どもに伝わることがあります。

最も重要な「感謝と満足」

(理由3)「干渉しない、手放す」だけで「感謝と満足」がない

この理由が3つの中で最も重要になります。意味するところは「今の子どもの状態に満足し、感謝しているかどうか」ということです。

前述したように筆者は「子どもに干渉しないほうがいいですよ」「子どもを手放すことが大切ですね」ということをお伝えすることがあります。時には「(子どもが勉強するようになることを)もう諦めてください」と言うことさえあります。

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