車輪のロックを防ぐ「ABS」や、他車や歩行者、自転車などとの追突被害を軽減する「衝突被害軽減ブレーキ」など、これまで普及したADAS(先進運転支援システム)技術から考えると、Advanced Driveのような高度運転支援技術は2030年になれば当たり前の世界になる。
それと並行して、ハードウェアやソフトウェアのメーカー主導によるアップデートも一般化し、自動運転レベルの向上や、システムの制御精度もどんどん緻密になっていく。
それらを踏まえると、この先はシステムと協調しながら運転操作を継続することが大切であるという、1つの結論が見えてくる。
トヨタの協調は「目視」がポイント
Advanced Driveでは、
A:ハンズフリー走行
B:前走車の追い越し
C:ドライバーのウインカー操作による車線変更
D:システムによる分岐地点でのステアリング操作
以上4つの高度運転支援が受けられる。
Aに関しては、自動化レベル2相当技術である日産自動車「スカイライン」の「プロパイロット2.0」や、SUBARU「レヴォーグ」の「アイサイトX」、さらには自動化レベル3相当技術を含んだ、ホンダ「レジェンド」に搭載される「Honda SENSING Elite」と同じだ。
それがB、C、Dの段階になるとAdvanced Driveの稼働条件には、ステアリングを握ることに加えて、ドライバーの「目視」による安全確認が追加される。
この“目視による安全確認”は、単に顔と視線を動かせばいいというものではなく、ドライバーが車線を移動する先の安全確認を確実に行ったと、システムが認識することが条件になる。
つまりAdvanced Driveでは、トヨタ/レクサスの特異点として、目視が人と機械の意思疎通を図る手段として用いられたのだ。
よって、システムの稼働中にB、C、Dの制御を迎えた際、何らかの理由でドライバーが目視による安全確認が行われないと、Advanced Driveはシステム制御を一時中断する。ドライバーとの協調運転が保てなくなるとシステムが判断するからだ。
ちなみに、ドライバーの様子は近赤外線LEDを用いた2眼の「ドライバーモニターカメラ」によって常に検知されている。ステアリングコラム上に設置されたこのカメラは、ドライバーの視線と顔の向きを検知して、その情報をもとにドライバーが目視を行ったかどうかの判断を行う。
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