新型「MIRAI」発表でわかった次世代FCVの全貌

究極のエコカーは「マイナス・エミッション」へ

2014年のデビュー以来、初めてのフルモデルチェンジを受けたMIRAI(写真:トヨタ自動車

トヨタは2020年12月9日、「MIRAI(ミライ)」の第2世代モデルの販売を開始した。MIRAIは、搭載した水素と大気中の酸素を反応させて電気を作り出し、その電力によりモーターを稼働させて走行するFCV(燃料電池自動車)だ。

2020年10月26日に、菅義偉内閣総理大臣によって行われた所信表明演説で、「2050年カーボンニュートラル宣言」が打ち出された。カーボンニュートラルとは、製品が製造されてから廃却されるまでのCO2排出量と吸収量が、プラスマイナスゼロになることを意味する言葉。

その実現のためには、エネルギーや製品、サービスの製造過程や使う過程、使い終わって捨てる過程、そのすべてにおいてCO2を「出さない」「減らす」「回収して再利用する」ことが求められる。トヨタは、そのために必要なクリーンエネルギーのひとつとして、「水素」に着目した。

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トヨタは水素の特徴を、「水素は使用時、CO2が一切発生しない」「水素は多様なエネルギーから作り出すことができる」「水素は、容易に貯める・運ぶことができる」の3つと定義する。

社会の低炭素・脱炭素化に向けた水素利用がさまざまな形で進んでいる中で、小型高効率で生産性を追求した新型のFC(燃料電池)システムを開発したうえで、トラックやバスなど社会を支えるモビリティにも活用し、水素利用の拡大に貢献していくロードマップを策定。水素社会の実現に向けた新たな出発点となるモデルを作り上げたのだ。

新型MIRAIは、FCシステムをはじめとする水素関連技術の性能向上を目指し、乗用車だけでなく社会を支えるさまざまなモビリティ等への転用を前提に、開発されたモデルなのである。

6年の時を経てのフルモデルチェンジ

初代MIRAIは、2014年に量産車として世界初のセダン型FCVとして登場した。自社開発のトヨタFCスタック・高圧水素タンクなどで構成された燃料電池技術とハイブリッド技術を融合させた、トヨタフューエルセルシステム(TFCS)を搭載。

3代目プリウスなどに採用された、FF方式のMCプラットフォームをベースに開発された。そこから約6年の時を経て、2代目へと生まれ変わったのだ。

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