2025年「自動運転レベル4」に立ちはだかる壁 自動運転普及のカギは「社会受容性」にある

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
自動運転レベル3に対応する「Honda SENSING Elite」を搭載した「レジェンド」(写真:本田技研工業)

2021年3月4日、ホンダが世界初の自動運転レベル3量産車「レジェンド」を発表した。

このクルマに搭載される「トラフィックジャムパイロット(渋滞運転機能)」では、高速道路の渋滞中に運転者が車載器でDVD視聴等が可能となるため、「ついに本格的な自動運転時代の幕開け」といった切り口でテレビやネットで大きな話題となったので知っている人も多いだろう。

自動運転について政府は、今から4年後の2025年をめどに高速道路を走行する乗用車でレベル3よりさらに高度なレベル4を実現させるとしている。

では2025年、本当に日本の道路で自動運転が登場しているのだろうか。

N-BOXにレベル3が搭載される日

自動運転レベルは、アメリカの自動車技術会(SAE)が基準として提案したものがその後に国際的な合意となり、その表示は0から5までの6段階となっている。

東洋経済オンライン「自動車最前線」は、自動車にまつわるホットなニュースをタイムリーに配信! 記事一覧はこちら

レベル1~2は「高度運転支援システム」として運転の主体が運転者だが、レベル3~5になると運転の主体がクルマのシステムに移るため「レベル3以上が自動運転」(ホンダ関係者)という解釈だ。

レベル3では、気象状況などによりシステムが自動運転の継続ができないと判断したり高速道路から一般道に降りたりするなど、レベル3に合致する走行条件から抜けると判断すると、運転者に対して運転の移譲を要請してくる。

車内での表示、音声、またシートベルト等での振動を通じて行うこうした行為を、TOR(テイク・オーバー・リクエスト)という。レジェンドでもメーター表示や音声、インジケーターの色の変化によって、TORを発する。

なお、ホンダが採用したレベル3では、高速道路を走行中にシステムが周囲の状況を判断し自動で追い越しを行う「ハンズオフ機能付き高度車線変更支援機能」も搭載される。

ディスプレイ表示と同時にインジケーターがオレンジに変わる「レジェンド」のTOR(写真:本田技研工業)

今回、発表されたレジェンドの価格は、レベル3非搭載車よりも375万円も高い1100万円と高額だが、今後は自動運転レベル3に関連する機器や技術の量産効果で自動運転システム全体の価格は下がってくる。

アダプティブ・クルーズ・コントロールが軽自動車の「N-BOX」や「N-ONE」などにも搭載されたように、レベル3が多くのホンダ車に採用される人がくるだろう。では、それはいつのことなのか。

レベル3に関するオンライン記者発表会に、筆者は所有車であるN-BOXの車内からリモートで参加した。

次ページ自動運転普及のカギとなる「社会需要性」とは?
関連記事
トピックボードAD
自動車最前線の人気記事