「MIRAI試乗」で見えたAdvanced Driveの可能性 「トヨタ、自動運転で遅れ」が誤りである理由

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Advanced Driveを搭載した「MIRAI」(写真:トヨタ自動車)

2021年4月、トヨタ「MIRAI」とレクサス「LS500h」に新たな高度運転支援技術「Advanced Drive」が搭載された。

今回のレポートでは、①まずAdvanced Driveを実装したMIRAI試乗時に抱いた筆者の感想をお伝えし、②次にシステムの稼働速度を左右する規制速度と法的課題の検証、③最後にトヨタが「Mobility Teammate Concept」として新しく導入した意思疎通手段である「目視」について紹介する。

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①Advanced Driveは、自動化レベル2に属する高度運転支援技術だ。

高速道路や自動車専用道路の本線上を走り、システム側の準備(センサーの正常動作や高い感度で受信されるGNSSの確認)が整うと、規制速度プラス15km/hを上限にした高度運転支援が実現する。

しかし、規制速度プラス15km/hの走行環境でも、今回の試乗コースとなった首都高速道路の都心環状線C1(規制速度40km/hないし50km/h)や高速湾岸線B(同80km/h)では、後続車から追い抜かれることが多かった。

つまりわれわれは、Advanced Driveのような高度運転支援技術や、その先にある自動運転技術を活用するために、交通の流れに起因する実際の交通環境といかにして整合性を図っていくのか、このテーマを考える必要がある。

なかでも筆者は次の2点が重要項目だと考える。

1つ目がシステムの稼働速度。Advanced Driveでは規制速度プラス15km/hまで速度設定ができるものの、前述のように実際の交通の流れとは差が発生する。

ときにそれは大きな速度差となりドライバーによっては追い抜かれる際、「怖いな」と感じるシーンもあるだろう。

まだまだ法改正も必要だ

2つ目はシステムの特性。車両制御システムが行うアクセルやブレーキのペダル操作やステアリング操作の各サポートは、メーカーごとに特性があり、もっといえば同じメーカーであっても車種ごとにわりと大きな違いがある。

1つ目の解決方法は、より実際の交通環境に即した規制速度への見直しや、そのための法改正だ。省庁が行うパブリックコメントを筆頭に、ここにはわれわれが声を上げなければならない。

2つ目の解決策は複数あるが、確実な手法は、自分の物差しとなる先進安全技術を見つけることだ。運転支援システムは車種ごとに特性の違いがあると述べたが、いずれも安全運転をサポートする技術なので、制御の方向性は同じ。

よって、どこでシステムによるアクセルやブレーキのペダル操作介入が行われ、ステアリングに力が加わるのかなど、システム側の意思表示を受け取るドライバー側の訓練が大切になってくる。

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