フェイスブック「トランプ問題」責任逃れのツケ

自社「最高裁」が放ったブーメラン裁定の意味

フェイスブックによるトランプ前大統領のアカウント凍結問題について、ザッカーバークCEOはどんな決断を下すのか(写真:Eric Thayer/The New York Times)

カリフォルニア州メンローパークにあるフェイスブック本社の壁には、こんなモットーが掲げられている。「フェイスブックに『他人ごと』などというものはない」。

これは同社の基本理念の1つ。困難な課題を誰かに丸投げするのではなく、フェイスブックで働く者が自ら解決に汗をかかなくてはならない、という意味だ。

というわけで、フェイスブックの「監視委員会」が5日に下した判断は、同社にとっては自業自得めいたものになった。

同委員会は問題コンテンツの扱いという難しい問題の判断を仰ごうとフェイスブックが設置した新しい機関。フェイスブックは前大統領ドナルド・トランプのアカウント凍結をどうするかという、同社17年の歴史で最も厄介な問題の判断をこの監視委員会に押しつけようとしたが、監視委員会はその試みをはねつけた。

フェイスブックCEOのマーク・ザッカーバーグは、弁護士、学者、元政治家など約20人で構成される監視委員会がこの問題に白黒をつけてくれることを期待した。ところが、監視委員会からは「ザッカーバーグよ、これはあなたが解決すべき問題だ」という、まったく別のメッセージが跳ね返ってきたのである。

監視委が突きつけた厳しい要求

確かに監視委員会はフェイスブックとインスタグラムに対するトランプの投稿を制限したフェイスブックの決定を支持した格好にはなっている。トランプのアカウントは1月6日の連邦議会襲撃事件を受けて凍結された。大統領選挙に関するデマをソーシャルメディア上で拡散し、暴動をあおったためだ。

しかし監視委員会は、フェイスブックの「責任逃れ」を非難してもいる。フェイスブックはトランプのアカウントを復活させるか、期間限定での凍結とするか、永久追放とするかで決定的な判断を下すべきだったのに、「無期限凍結という基準のない、あやふやな処罰」を下してお茶を濁したという批判だ。監視委員会はトランプのアカウント凍結をめぐる判断のボールをフェイスブックに投げ返し、6カ月以内に最終的な判断を下すよう迫った。

監視委員会がトランプのアカウント凍結を支持する判断を示したことで、フェイスブック従業員の多くは安堵した。彼らは、トランプがまたすぐに自社のプラットフォームで暴れ回る状況を許容しなければならなくなる展開を内心恐れていたが、そのような状況はひとまず避けられた。

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