「萌えキャラとして働く」彼女が流した涙の意味 「職業=自分の本名」支えたマーケティング思考
「競合他社のサービスの話はタブーです」なんて言われてしまうこともあります。でも実は、いろんなクラウドを連携したときどうなるのかに、お客さまはすごく期待しているんです。だから、タブーに触れないギリギリを狙って話すんですが、堂々と話せないもどかしさは、ずっと感じていました。
私の場合、『マーケターのように生きろ』を読んで、こういった悔しい思いがパーッと成仏したように感じました。この本では「4つのステップ」が紹介されており、その最初が「自分が価値を提供する相手を明確に定義する」ことです。自分が価値を提供したいのは、会社なのか、お客さまなのか。そこをはっきりさせれば、今後、ブレることはなくなると思ったのです。
エバンジェリストにかぎらず、企業に所属しているエンジニア、さらには多くのビジネスパーソンが、同じような経験をしているように思います。そういった人たちにも、この本はぜひ読んでほしいと思っています。
胸に刺さった最後の言葉
「おわりに」のパートで、著者の井上さんは祖父母世代の生き方を、「生きるためには他に何も選択肢がなかった」と表現しているのですが、この言葉は私の胸にグサッと刺さりました。おそらく社会で会社員として仕事している人の多くが、この言葉には同じような気持ちを抱くのではないでしょうか。
会社で生き残るためには、会社ファーストで生きる以外に選択肢がなかった人たちが、今はベテランになって決定権を持つポジションについている。そういう人たちを見ながら育った若い社員たちは、突然「個の時代です」と言われても、何をどうすればいいのか途方に暮れてしまう人のほうが多いように感じます。
そもそも日本の会社では、自分を出しすぎるのは「我が強い」と敬遠されますし、セルフブランドを持つこと自体にもすごくネガティブな受け取りがあったりするので、自分はどうするべきなのか、袋小路に入り込んでしまいがちです。
上の人たちも「自分たちは生きるためにこうやったけど、今は時代が変わった」と口にはするのかもしれないけれど、具体的なアクションを促すようなアドバイスは、したくてもできないのではないかと思います。
そんなときには、『マーケターのように生きろ』で紹介されている考え方が役に立ちます。とくに若い人たちには、きっと力になる1冊だと思います。
(構成:小関敦之)
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