「20代で家業再建した2代目」が示す探究の凄み ミシュラン二つ星獲得したすし名店の流儀

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すし職人である工藤順也氏の仕事への向き合い方に迫ります(写真:井上浩輝)
北海道札幌市に店を構えるすし屋「鮨 一幸」は、2012年にミシュランガイド一つ星を獲得、2017年には二つ星に昇格した名店だ。店主の工藤順也氏(39)は2代目。2006年、25歳で父親から店を引き継いだとき、バブル崩壊や当時店があった真駒内の過疎化によって、倒産寸前の危機にあったが、見事に立て直した。工藤氏が大事にしたのは「心が動くすしを作りたい」ということだ。一流の食材を求め、調理法も徹底的に研究した。その工藤氏が仕事への向き合い方について語った。
※本稿は工藤氏の新著『鮨 一幸のすべて』から一部抜粋・再構成したものです。

自分の頭で考え、突き詰めていく

僕はすし職人です。食材が持っている芯にある美味しさをシンプルに表現しなければいけません。なので、食材の産地にも深くこだわらなければいけません。

「なぜそうするのか?」「今の時代にその仕事でよいのか?」「自分が扱っている食材にその仕事が見合っているのか?」などと疑ってみたり、固定観念を取り払ってみたり。自分の頭で考え、突き詰めていくことで新たな美味しさにたどり着くことができるのです。

再構築してさらに昇華していくと仕事が面白くなるのはもちろん、お客様にも喜んでいただけます。美味しいすしというよりも、心が動くすしを作りたい。その一心で書物を読みあさり、産地を訪ね、食材と向き合ってきました。

ここで、僕が使っている道具や食材の「基本」をいくつか紹介します。

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