中高時代は親友といえる人がいなかったので、毎年、新しいクラスで「友達はできるかな」と不安でしたし、桜舞う中での大学の入学式では、サークル勧誘の男子たちが、かわいい女子の周りにはまるでガのように群がる姿に、劣等感を募らせていたものでした。
コンプレックスが「コミュ力研究家の原点」になった
今思えば、私の学生時代は「顔面偏差値=人生の偏差値そのもの」といった若者の残酷な身分制度の最下層であえぎ、苦しんだ思い出ばかりです。
ただ、そのコンプレックスをバネに、「ブスでも人に愛される方法はないものだろうか」と必死に考え始めたところが、今の「コミュ力研究家の原点」になっているのですから、人生捨てたものではありません。
不細工でも人を惹きつける方法として、「料理」「気遣い」「話し方」など、人を喜ばせるさまざまなスキルを考えていきました。
私が美人であれば、そんなことを気にする必要などなかったかもしれないのですから、まさに「ケガの功名」です。周りの人たちをひたすら観察するなかで気づいたことがありました。
「容姿」はモテや人気の大きな要因ですが、人を惹きつける人には、それだけではない「Xファクター」があるということです。
エール大学の臨床心理教授だったミッチ・プリンスタインによれば、人気には「2つのタイプがある」のだそうです。1つめは「ステイタス(社会的地位)型」、2つめは「好感度型」です。
「ステイタス型」は、たとえば、地位や財産や容姿、持ち物といったもので測られ、「好感度型」は人から好かれる度合いということです。
幼少期は「好感度型」の人が人気を集め、性ホルモンの分泌が盛んになる思春期には「ステイタス型」へと移行するのだそうですが、確かにその頃から、容姿やお金への執着が強まるような気がしますよね。
プリンスタイン氏は、ソーシャルメディアの普及などにより、多くの大人までが、まるで高校生のように「上っ面のステイタスにこだわるようになってきているのではないか」と指摘しています。
しかし、「好感度型」の人気を集める人は、人生において、より多くの「つながり」を得て「成功」「幸福」を達成しやすい一方で、実は「ステイタス型」の人気は「虚栄」「攻撃性」「依存」「嫌悪」「絶望」「孤独」に結びつきやすいのだそうです。
つまり、「ステイタスで得られる人気」よりも、「好感度で得られる人気」のほうが「人を幸せにする」ということです。
容姿や財力などとは異なる、人気の決め手となる「Xファクター」とは、まさにこの、人を「磁石」のように引き寄せる「好感度」ということなのでしょう。
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