信長や龍馬のイメージが変わる型破りな歴史観

歴史の「エンタメ化」で身に付く目から鱗の知識

歴史からは「自分が何者なのか」という基本的なアイデンティティーが学べ、過去のさまざまな出来事から「ものの見方」を知ることができます(写真:高知、桂浜 坂本龍馬像 shun1rou/PIXTA)
取り巻く環境を大きく変えたコロナ禍。それぞれがアイデンティティーを問われる中、歴史を学ぶ価値は高まっているようです。歴史からは「自分が何者なのか」という最も基本的なアイデンティティーが学べ、加えて過去のさまざまな出来事から「ものの見方」を知ることができます。
バラエティープロデューサー・角田陽一郎の新著『「24のキーワード」でまるわかり! 最速で身につく日本史』より、日本史の入門編をお届けします。

実は新しくて曖昧な「日本人」という枠組み

僕たちがこれまで学校で習ってきた教科としての「日本史」は、日本という国がこれまで経験してきた、政治的、ないし文化的な出来事の記述で概ね構成されています。

ただ、それらの出来事のほとんどは体制側=「勝者の目線」で書かれた史料に基づいていることが多く、政争に敗れた「敗者側の事情」や、市井の文化を担った「一般の民衆」の生活などについては、あまり記されていないと言われることもしばしばあります。

そんな歴史感覚を持ちつつ、続いて僕ら日本人というものを考えてみましょう。今僕は「僕ら日本人」とサラッと書きましたが、この僕ら日本人という言い方が、すでにある種の固定イメージを植え付けているのにお気づきでしょうか。

例えば日本人と聞いて、みなさんはどんなイメージをもちますか?

日本語を話す人? →ではいつから、僕らは日本語を話しているのでしょう? 方言とは?

日本語を読み書きする人? → では文字がなかった頃は何人?

先祖が日本人? →ではそもそも最初の日本人は?

日本国に住んでる人? →どこまでの土地が日本国なの?

普通は、日本史というのは「日本に住んでる人」の歴史だと思いますよね。ところが今の僕らがイメージする日本の領域が日本国になったのは、20世紀半ばになってからです。つまり日本史というのは、それまでの大部分の時代、日本国と認識されていなかった地域の話も含まれているのです。

さらに言えば、その日本に住んでいた当時の人たちははたして自分たちを日本人だと認識していたでしょうか? 都道府県の区分も長い歴史のなかで考えると最近のこと。それぞれの地域を「国」と呼んでいた時代もありました。

そう考えると歴史とは「過去の記録」なのではなく、現在の私たちが過去の歴史を色々な状況証拠から推察し整理してまとめ上げた一種の、「ものの見方」の集大成といえるのです。

ものの見方が変われば、推察も整理の仕方も変わります。ある人には白く見えるものでも、別の人には黒く見えるかもしれません。その正解は、どの時代のどの人が白と判定したか、黒と判定したかというものでしかないのです。

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