「女嫌いの女」は、幸せになれますか? 上野千鶴子氏vs.東大女子(第2回)

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それが女同士だと、「実は私も……」と共感してくれる人が、必ずいます。「そうだったの、あなたもなの」「私だけじゃ、なかったのね」と思うようなことが、いっぱい出てくるんです。

こういうのを、「ウィメンズ・ロッカールーム・トーク」と言います。フェミニズムの世界では、「コンシャスネス・レイジング」とも言いました。女が人前で言ってはいけないとされること――たとえば生理やマスターベーションの話を口に出して聞いてもらえる相手がいた、女の経験をコトバにして、分かち合ったということ――その積み重ねが女性運動なのです。

今のあなたには、そんなニーズがないのかもしれない。だけど、「あなたもそうだったの」「実は私もなの」という発見や女同士の分かち合いの場が必要になるときが、いつか必ず来ます。そして、それができたとき、敵だと思っていた女の子が、味方だと感じられると思います。

そういう分かち合いは、総合職の女と一般職の女同士でも、できるはずだし、子どもを産んだ女と産んでいない女との間だってできるはずです。「産んだ女」も「産まない女」も、あのとき産んでおけばよかったとか、あるいはこの時期に子どもを産んでよかったのかとか、みんな、迷いながら生きているのよ。

女同士、話合えば、必ずわかりあえるものがあるの。そういう女同士の分かち合いって、あなた、必要だと思わない?

:そう言われると、いつか必要だと……思います。

上野:たぶん私の天敵だと思われている曽野綾子や櫻井よしこだって、林真理子さんだって、私、話合えば、きっと分かち合えると思うの(笑)。女同士でしか分かち合えないつながりは、主義主張の違いを超えて、必ずあるのです。そういったつながりを、大事にしてください。

:ありがとうございました。

※次回に続く。次回記事は6月23日(月)に公開予定です

佐藤 留美 ライター
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