東大女子から「働かない」という選択肢が消えた!
こんにちは、上野千鶴子です。今日は、女性を中心とする東大の学生、院生の皆さんにお集まりいただき、ありがとうございます。
皆さんのお悩みを聞く前に、今回取り上げた著書『女たちのサバイバル作戦』(文春新書)のテーマになっている問い、「なぜ、日本の女性は生きづらいのか」について、少しお話させてください。
早いもので、日本のウーマンリブが誕生してから40年。男女雇用機会均等法ができて、30年近くが過ぎました。そして、私、上野は65歳になりました。
40年前、私が20代だったときは……。笑わないでください。誰だって昔は、少女だったことも処女だったこともあるんですから(笑)。
そのときは、大卒女子に職なんかほとんど、ありませんでした。
みなさん、ご存じでしょうか。東大には女子卒業生だけの同窓会があります。その名も「さつき会」。
以前、そこの事務局の女性から、面白い話を聞きました。曰く、「1990年代の初めごろまでは、東大女子の悩みは『働くべきか、働かざるべきか』だった。でも、2000年代に入ってから、その問いは完全に姿を消して、『いかなる働き方をするべきか?』に変わった」と。つまり、東大女子に働かないという選択はなくなったのです。
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