アベノミクスでも注目を浴びる、「女性の活用」。一見、聞こえのいいこの言葉、実は大きな問題をはらんでいるという。本連載では、そんな「男と女」にかかわるさまざまな問題を、異色の男性ジェンダー論研究者が鋭く斬る。
結婚相手の学歴って気になりますか? 女性の読者なら自分と同等以上、男性の読者だと自分と同等以下がいいという感覚がありますか?
東大の教員がいきなり「結婚相手の学歴がどうのこうの」なんて、イヤミなやつと思われたかもしれません。ところが実はこれ、「女性の学歴上昇婚」(女性は自分と同等以上の学歴の人と結婚したがる)という学界での仮説が当てはまるかどうかを検証するための質問なのです。
結婚したくても結婚できない社会
日本では、今、20代後半から30代にかけての未婚率が男女ともどんどん高くなっています。20代後半の女性の未婚率は60.3%、30代前半の男性の未婚率も47.3%(2010年国勢調査)。いずれも1980年の約2.5倍(24.0%と21.5%)です。生涯未婚率(50歳時の未婚率、2010年)も男性で20.1%、女性で10.6%。日本はもはや皆婚社会(みんなが結婚する社会)でなくなりつつあると言ってよいでしょう。
トピックボードAD
有料会員限定記事
キャリア・教育の人気記事
無料会員登録はこちら
ログインはこちら