しかし未婚の人に「いずれは結婚したいと思うか」と聞くと、ほとんどの人がYesと答えます。この比率は女性で1987年の92.9%から2010年で89.4%、男性は91.8%から86.3%と微減にとどまっています(出生動向基本調査)。みんな結婚したいと思ってるのに、結婚していない社会、素朴に考えて何かおかしいと思いませんか?
さて、「相手の学歴は気になりますか?」なんてストレートに聞かれたら、「自分は相手の学歴なんて気にしない」と答える人のほうが多いかもしれません。ただ一般に社会調査では、①「あなた自身は人種差別に賛成ですか?」と聞くと、ほとんどの人がNoと答えるのに対して、②「社会のさまざまな局面で人種によって異なる扱いを受けることは、やむをえない場合もあると思いますか?」と聞くと、Yesの比率がぐっと高くなることが知られています。これは「人種差別=ダメ」というタテマエがある一方で①、ホンネの差別・区別意識が②に表れるというもので、調査ではよく②のような表現でホンネを引き出します。
ソ連が北海道を占領した日?
みなさんの発想にも、「学歴差別=ダメ」「人間は中身が大事」というタテマエが前提になっている可能性があります(それ自体が悪いというのではないですよ)。
でも、もしこうしたタテマエが本当に共有されていたら、それこそ結婚紹介業者に登録するプロフィール欄に、学歴なんていらないはずです。たとえば「普通免許あり」なんて書かないように。
私は20代の頃はずっと学生で、30歳を目前にようやく札幌で助手になれたのですが、その頃、女性の友人が訪ねてきたので、観光で赤レンガの旧道庁に行って解説をしました。
「ここにはいっぱい赤い星のマークがあるやろ、これはなぁ、終戦後、ソ連が北海道を占領してたときにつけてったものやねん」
このネタはそれまで来た友人にはそれなりにウケて、「ソ連がいつ日本を占領してん!」とちゃんとつっこんでもらえたんですが、その彼女の反応は「ふーん、そうなんだぁ」。
え? そこスルー?!(ちなみに正解は北海道開拓使の旗が☆ひとつだったためで、サッポロビールの☆印も同じ由来です)
私はあんまり学歴なんか気にした覚えはなかったんですが、そのときは、「あかん、学歴以前に、ソ連が北海道を占領したと思てる人とは夕食の会話が成立せえへん」と思ってしまいました。
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