なぜ「すごすぎる母」ばかり、記事になるのか 「ワーキングマザー・サバイバル」最大の謎

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すごすぎる母ばかり、なぜ取り上げるのか?(写真:アフロ)
この連載開始から1年強、「ワーキングマザー・サバイバル」を加筆し、『凄母(すごはは)』(東洋経済新報社)という書籍になりました。
そこで今回は本の発売を記念して、読者の方からも最も多く寄せられる「ある疑問」について、取り上げます。いったい、読者の方の疑問とは、またそれへの筆者の答えとは?

「ワーキングマザー・サバイバル」には、どうしてすごすぎるママさん社員ばっかり出てくるんですか?

当連載が始まって1年半弱――。私が読者の皆さんや知人・友人から、最もよく聞かれた質問だ。確かに、当連載には「すごすぎる母」、略して「凄母(すごはは)」たちが、続々と登場する。

2児の母親でありながら、出世競争が激しいことで有名なリクルートで事業部長にまで上り詰めた人……。40歳過ぎで、子どもがいながら、ほとんどすべての日本女性が働いてみたいと思う資生堂に入社し、海外マーケティングの仕事で世界中を飛び回る人……。

しかも、その華麗なキャリアや両立のワザもさることながら、皆さん、母親になっても美容も手抜かりないのだろう。美しい人ばかりだ。

パワフルすぎる『凄母(すご母)』を、追い続けるのはなぜか?

確かに、どのマザーも「すごすぎる」。

読者の皆さんが、「世のワーキングマザーはもっと普通ですよ」「なんで、普通のワーママを取り上げないの?」「どの方もすごすぎて、正直、引きます」と、いぶかるのはごもっともだと思う。

だが、結論から言うと、当連載は意図的にすごいワーキングマザーばかりを“選抜”しているわけではない(そもそも、そんな偉そうなことができる立場にない)。筆者である私や、担当編集者である吉川さんも、当連載を「凄母限定」にする意図など何もない。

では、どうして、すごいママ社員ばかりが登場するのか?

企業側が考える、ワーママ問題

それは、ズバリ言って、企業側の意向だと思う。

われわれが、当連載にご登場いただくワーキングマザーを探す手法は、基本的に、極めてオーソドックスだ。普通に、企業の広報に電話して(代表番号からつないでもらう場合も多々ある)、連載の趣旨をお伝えし、当該者を探していただくのだ。そうして、取材していったのが、当連載にご御登場いただいたワーキングマザーたちだ。

一般的に、企業の広報は、その企業が発信したいメッセージを伝達するのが仕事だ。ということは、今、日本の企業は、ここ数年、加速度的に増えるワーキングマザー社員たちに、当連載に登場するような「凄母」のようになってほしいのではないか――。

われわれは、そう感じている。

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