真に機能する、在宅勤務制度のツボ NTTコミュニケーションズのテレワークの実際
NTTコミュニケーションズはNTTグループの中で、グローバルなICTサービスの提供を事業としている。海外38の国や地域の102都市に事業拠点を置き、196の国や地域でネットワークサービスを展開しているほか、アジアと欧米中心に約150のデータセンターを展開するグローバル企業だ。従業員数は6951人(2013年10月1日時点)、うち女性社員は979人。
テレワークとは、情報通信技術を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと。同社が育児・介護支援のためのテレワークに取り組み始めたのは2002年と、もう10年以上前になる。2007年から育児・介護支援のためにテレワークを制度化し、約6年が経過して、利用者は確実に増加、制度はすっかり定着した。
そこで、そのシステムもさることながら、テレワークを制度として定着するには何が必要か、円滑に運営するポイントについて田村尚子ダイバーシティ推進室長に聞いた。
2度のトライアルを経てルール確立
──育児・介護支援策として、パソコンを使った在宅勤務制度を導入しているとお聞きしました。まずは、制度導入の経緯から教えていただけますか。
当社では育児・介護支援を目的としたテレワークを「eワーク」と呼んでいるが、制度がスタートしたのは2007年だ。きっかけは、2010年までに就業人口の2割をテレワーカーにするという「IT新改革戦略」が2006年に発表されたことが挙げられる。これを受け、NTTグループ全体でテレワークの推進に取り組むことになった。
しかし、実は2002年からすでに制度作りの準備は始まっていた。当時は、多様な働き方を支援することが目的で、2002年11月から2003年4月までをSTEP1、2003年11月から2004年10月までをSTEP2として、それぞれ対象業務や接続方法を変えたトライアルが行われていた。
当社は現在、グローバルネットワークサービスの提供を主要業務のひとつとしている。トライアルが始まる頃は、1999年のNTT再編による分割の一社として、国際電話や企業通信ネットワークビジネスの立ち上げの時期で、海外出張者が多かった。
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