真に機能する、在宅勤務制度のツボ NTTコミュニケーションズのテレワークの実際
数カ月に1回、仕事もしながら「旗当番」をする時間を捻出するためにeワークを活用している人もいる。「旗当番」とは、小学生の保護者が交替で子供の通学路に立ち、安全に気を配るというものだが、社員にとっては短い時間ではあるが地域の安全を守る意味では大切な仕事。社員にとってはどちらも重要な仕事で、両方をこなしたいと思っている。
同じように、学校行事があるときに使うという人も多い。保護者会があるので半日は会社を休まなくてはならない。しかし、仕事がたまっていて午後から出社したい。通勤に要する時間がもったいないので、その日はeワークをするという使い方だ。
会社にいるのと同じように働く
──出退勤管理はどのように行っているのですか。それと、接続方法についても教えてください。
始業・終業時刻は会社と同じだ。仕事を開始する際に、上長にメールや電話で連絡し、家のPCで仕事をする。電話は携帯に転送されてくるし、電話を掛ける際には会社の番号で発信できるようにしているので、オフィスにいるのと同じように仕事ができる。そして、仕事が終わったら上長にメールや電話で報告して、成果物を共有サーバーなどに送ることになる。
eワークでは、会社のPCと同じデスクトップ画面が出るので、オフィスにいるのと同じように仕事を進めることができる。これは弊社のクラウド型仮想デスクトップサービス「Bizデスクトップ Pro」を利用しているためだ。「Bizデスクトップ Pro」は、PCのハードディスクに一切データを残さず、プリントアウトもできない仕様になっているため、セキュリティの面でも安心できる。
PCは会社が貸与するシンクライアント端末と私有端末の両方が認められている。シンクライアント端末は外に出ることが多い営業担当者に、自席でのFAT端末に代わって貸与されているので、それをそのままeワークでも使用できる。さらに、今年は私有のPCでも利用OKとした。
ただし、私有PCの場合には決められたOSやブラウザ、セキュリティソフトが入っていることが条件だ。接続のための認証にはID、パスワードに加え、マトリックス認証も使い、万全を期している。
──トライアルから数えると10年、制度として導入してから6年になるわけですが、利用状況はいかがですか。
利用者は2007年に54人だったが、2013年度下期には約260人になった。いきなり増えたのではなく、ゆっくりと風土に根差してきたという感じだ。最初は育児期間中の女性社員が短時間勤務とセットで利用するケースが多かったが、しだいに男性社員の利用者が増えてきた。
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