もう「オジサン社員への同化」はやめよう! ホワイト企業の伝道師が語る

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ご自身も小6、小2、5歳の双子の四女(!)の母である経済産業省の女性室長、坂本里和さんは、『ホワイト企業 女性が本当に安心して働ける会社』(文藝春秋刊)でこのテーマに取り組んだ。
民間企業の活力を高める立場にある経産省お墨付きの、女性が安心して子どもが産め、育児と仕事を両立できる企業とは?また、女性は会社の中でどのような働き方をするべきか?
さらに、現在「ホワイト」でない働き方をしているワーキングマザーは、どうしたらいいのか?前回記事に続き、ホワイト企業の伝道師に聞く。

※ 前編はこちら:女性にとっての、ホワイト企業とは何か?

守られた女性、守られていない女性

――ワーキングマザーとひとくくりにされがちですが、非正規雇用のワーキングマザーの置かれた状況は、会社勤めの人より過酷です。法律では1年以上、その職場に勤め、なおかつ継続して勤める意思があれば、非正規雇用でも育休を取得できるとありますが、実際取得している人はたいへん少ない。新卒採用でホワイト企業に入れば天国、入れなばければ地獄というような二重構造は、どうにかならないでしょうか?

確かに日本の大企業の場合、新卒一括採用が中心ですから、就活が景気の悪い時期に重なってしまうと、その後の挽回が難しいという傾向はあります。労働市場の流動性が低いという現実は、女性にとってプラスにはなっていません。企業の手厚い保護に「守られた女性」と「守られていない女性」が二極化している面があるのも事実です。

ただ、中小企業に目を向けると、中小は会社の屋台骨を支える優秀な人材を「新卒一括採用」ではなく、中途で採用してきた歴史があります。ですから、中小の場合、最初はパートとして入った主婦でも、やる気と能力がある人は基幹戦力として認知されて、管理職として中心的に活躍する例も少なくありません。

また、大きな流れで言えば、大企業も含め、少しずつ労働市場の流動性が高まってくると思います。もちろん、新卒採用はある一定程度は採り続けますが、転職がもっと普通の世の中になってきます。

――それは、大企業は、もはや新卒一括採用した人を、終身雇用で30年以上抱え続けられなくなっているということですか?

今までの日本企業への入り口は新卒一括採用、片や出口は定年だったのが、もう少し一人ひとりのキャリアが多様化してくるということです。

よく最近、「失業なき労働移動」という言葉が使われますよね。まさにそれで、われわれの役所も、産業の盛衰に伴い、市場が頭打ちの成熟分野から成長産業に人が集まる流れを作るように推進しています。

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