もう「オジサン社員への同化」はやめよう! ホワイト企業の伝道師が語る

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――誰だって、人間らしい暮らしがしたいですよね。

でも、男性は女性みたいに、あっけらかんと育休を取りますとは言えない立場にいる。その人たちのためにも、WLBを推進していかないといけないのです。最近は、夜7時キッカリに消灯してしまう企業や、朝型に変えた企業など、役所が恥ずかしくなるくらい、きっちりWLBを実現する企業が登場し出しています。こうしたベストプラクティスがだんだん出てきてメディアに紹介されると、ほかの企業の意識も変わってくると思うのです。

官僚夫婦の子育てのリアル

――その点、ちょっと残念なのがイクメンのイメージなんですよね……。「ゆるキャリ」みたいなイメージがあるじゃないですか。でも、私が先日取材したある企業の男性は、バリバリの一線の人が、週1日在宅勤務し、育児を手伝っていました。広報の方は、バリバリ仕事するイクメンということで「バリイクメン」と命名していましたよ。

いいですねぇ。そういう人を尊重しないといけないですよね。そうすれば、下の世代が、もっと育休を取りやすくなります。最近、役所でも、とても優秀な男性が育休を取るのです。中枢のポストにいる人が。でも残念なことに、彼らはそれをカミングアウトしたがらないんですよね(笑)。

――男性の目を気にしてでしょうか?

たぶん、照れでしょうね。

――本当に残念ですよね。ところで、坂本さんのご主人も坂本さんと同じ官僚だと伺っています。4人のお子さんの育児は、やはり分担なさっていらっしゃるのですか?

お恥ずかしいことに、まさに「紺屋の白袴」(?)で、私は夫をイクメンに育成することがうまくできませんでした(苦笑)。

――それにしても、お子さんが4人! 

ええ。女の子ばかり、小6、小2、5歳の双子です。

――本の「あとがき」に書かれていた、小学生のお嬢さんの遠足のお弁当におにぎりを入れ忘れて、落ち込んだというエピソードがとてもリアルで胸を打たれました。

今でも、思い出すたびに泣けてきます。

――それにしても、どうやって4人のお子さんと忙しい官僚の仕事を両立してきたのですか?

1人目は、文科省にある夜10時までやっている保育園に預けました。近いので、昼休みに授乳に通えるのがよかったです。当時は実家にも頼れなかったので、職場には随分、配慮してもらいました。

そして2人目の育休から復帰するとき、地方で働いていた母親に頼み込んで、私がマンションの家賃を出すことにしてうちの近くに引っ越してきてもらい、保育園のお迎えなどいろいろお願いしています。すっかり頼ってしまっていて、いやはや、お恥ずかしい限りで。

――そして、双子さんが生まれて……。

 ええ。このときは、妊娠3カ月目でまったく食べられなくなってしまい、点滴で栄養を入れるしかなく、出産までほとんど入院していました。このときは、病休まで取らなくてはいけない状態で……。人生でいちばんつらい時期でしたね。

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