なぜ「すごすぎる母」ばかり、記事になるのか 「ワーキングマザー・サバイバル」最大の謎

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裏を返せば、従業員一人ひとりのミッションや、評価が明確になりさえすれば、従業員は、一定の成果を出しさえすれば、自宅で働こうが、子どもをおんぶしながら働こうがお構いなしという自由を得られるはずだ。

育休中の社員の穴埋めをしている社員だって、その努力と貢献を組織がもっときちんと評価すれば、これまでのように不平・不満も殺到しないはずだ。

もっとも、従業員側も、ただ、組織に会社に、こうして欲しい、ああして欲しいと、要求するだけでは、「権利主張型」「ぶらさがり社員」など、不名誉な称号を頂くことになってしまう。

家庭責任を負うために仕事をペースダウン中の従業員も、意識を高く持つことが必要だろう。

DeNA南場さんの「格言」

これは、DeNAのファウンダー、南場智子さんが言っていたことなのだが、「仕事時間中は全力で仕事に向き合う」ことが重要なのではないか。

南場さんは、一時期、ご主人の闘病を支えるために、社長を退任し、在宅勤務と時短勤務を取得して働かれた。

このように家庭の事情で仕事の時間を短くせざるをえない場合は、「産む性」である女性に限らず、誰だってある。そんなときでも、キャリアをあきらめる必要はない。ただ、働いている間は、仕事に集中するべきだ、と。

では、具体的に、どのように仕事に取り組めば、集中して結果が出せるか? あるいは、専業ママに比べて子どもと向き合える時間が少ない、ワーキングマザーの子育ての極意はあるのか?

「ワーキングマザー・サバイバル」は、今後も、そんな具体的な手法をできるだけ詳細にリポートしていきたい。

今後も、すごい母たちが登場しますよ!

そして、最後にひとつ、宣伝をさせてください。

当連載をまとめ、さらに、「ワーキングマザー・サバイバル」には書ききれなかった、彼女たちの詳細な仕事術、子育て術を書き加えた本が出ました。その名も『凄母』(東洋経済新報社)

本書をお読みいただけたら、両立に悩むワーキングマザーの皆さんが、その問題解決とまではいかないまでも、自分と同じようなことで悩んでいる人がいると知り、ほっとした気分が味わえると思います。

どうぞ、お手に取っていただけましたら幸いです。そして、本年も当連載をよろしくお願い致します。 

 

佐藤 留美 ライター
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