子に「いいかげんな親」を公言するのがいい理由 「こうあるべき」という価値観から解き放とう

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子育てで大切なのは、親としての“理想の姿”ではなく親子の幸せな関係性です(写真:Kazpon/PIXTA)
子育ては〇〇しなければならない、親は〇〇でなければならない、といった言葉にとらわれすぎていませんか? そう問いを投げかけるのは、驚きの学校改革で注目を集める工藤勇一氏です。
麹町中校長が教える 子どもが生きる力をつけるために親ができること』を上梓し、自身も2児の子どもの父親として子育てしてきた工藤氏は、「何よりも大切なのは、子育てや親としての“理想の姿”ではなく親子の幸せな関係性だ」と言います。子育てにおける、親と子どもとの最適な距離について聞きました。

子どもは思うようには育たない

教育者である私は、保護者のみなさまに、教育について、また、子育てについてお話する機会が多くあります。ですが、そういった私の話や、一般的な子育て論を聞き、「親は、子育ては、こうあらねばならない」と考えすぎてはいけません。

理想の親の姿を追求することが、親子の幸せに結びつくかというと、必ずしもそうではないからです。

むしろ「あれが悪かったかも……」「こうすればよかったかも……」と自分自身を後悔しすぎたり、卑屈になったりする姿は、子どもにとってけっしていいものではありません。

「私がこうなったのは、親のあなたがこうだからだ」などと、人のせいにする子が育つことにもつながってしまいかねないからです。

教師になってから今年で37年。多くの子どもたちと関わってきましたし、それと同じだけ親御さんとも向き合ってきました。そして、子育てに不安をよせる親御さんの声をたくさん聞いてきました。

「子どもとの関係がうまくいかない」「学校といい関係が築けていない」「この子はこのままで大丈夫だろうか」……。

真面目な方ほど、ご自身の子育てに悩み、葛藤されています。そんなみなさんに、伝えたいこと。それは、「不幸にならないで」。

親として完璧ではない自分を、蔑んではいけません。それよりも大事なのは、子どもに対する愛情に自信を持つことではないでしょうか。

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