子に「いいかげんな親」を公言するのがいい理由 「こうあるべき」という価値観から解き放とう
私が日頃から考えているのは「不幸になるような理想はいらない」ということです。
子育てに理想を求めすぎて、子どもたちと過ごせる幸せな時間を、つらい時間にしてしまった方をたくさん見てきました。
むしろ今ある環境に幸せを探せる能力こそ、育むべきではないかと思うほどです。勝手に理想を掲げて、勝手に不幸にならないことです。それこそが、将来幸せになる力をつくり出していくはずです。
“理想”よりも家庭が安心安全な環境であることが大切
「理想の子育て」「理想の親」を追求するよりも、何よりも大切なのは親子の幸せな関係です。世間で言われていることや本の内容などを参考にして、幸せな親子関係が崩れてしまうのであれば、それを守る必要はありません。
なぜなら、子どもにとって家庭が安心安全な環境であることで、自信がつき、何かに挑戦してみようという気持ちが生まれるからです。
このことは、最新の脳神経科学の研究からも明らかになってきています。うまくいかないことや失敗を叱られ続けた子どもの多くは、挑戦をしなくなっていくことがわかっているのです。
子どもが新しいこと、今までの自分がやってこなかったことに挑戦していこうとする力は、「失敗しても大丈夫」という安心な環境があってこそ大きく成長するものです。
ですから子どもが自律するためにも、親子の幸せな関係性はとても大切なことと言えるでしょう。
とは言え、子育てをしているなかでは、子どもに対してつい感情的に怒ってしまうこと、口うるさく言ってしまうことがあると思います。
ここでちょっとみなさんに質問です。みなさんがお子さんに対して感情的に怒るのはどんなことでしょうか?
「ぐずぐずしないでもっと早く決めなさい!」「なんでそんなこともできないの?」「もっとこうしたらうまくいくのに」……。
冷静に考えてみるとそれは、あなた自身が「自分のだめなところ」「嫌いなところ」と認識している部分ということはありませんか。つまりあなた自身が、こだわっている部分です。
多くの親御さんは、自分がしてきた失敗を子どもにさせたくないと考え、「これをしたほうがいい」「あれはしないほうがいい」と言ってしまいがちです。
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