「ブラック職場で夫失踪」救った妻の見事な対応 会社に殺されない自分の心の守り方

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「退職は逃げではないか。でも、会社のことを考えると、身体の震えがとまらない」

「今後、転職活動をするにしても、こんな自分なんて採用してくれるところがあるとは思えない」

「仮に、次の会社が決まっても、ちゃんと働けるのだろうか。またダメになるんじゃないか」

これらの思いを四六時中抱えていたら、心身の健康をおびやかします。そんな生き方は、自分を大切にしていませんよね。

「その意味で“退職も辞さない覚悟”は、混乱からあなたを守る、強力な境界線」――相談に来られる方に、私はいつもこのことを伝えています。

自分自身を守ることを最優先する

そして、もしその決断ができないのであれば、それは、すでにかなり消耗している証拠です。今、やるべきことは、どんな方法でもいい。ご自身を守ることを最優先に、ぜひ休養をとってください。

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医療機関で診断書を書いてもらい、会社から物理的に離れるのです。これらの手段が、困難な状況からあなたを守る強力な境界線となります。

そして、このような状況に陥っている20代、30代のお子さんの親である、あなたへ。

お子さんが、相当無理をしているのもわかっている。でも「せっかく良い会社に入ったのだから、やめていいのか」「退職して引きこもりになってしまうのではないか」など心配がつきないために、今の会社でやっていくよう、つい叱咤激励してしまっているかもしれません。

ですが、こんなときこそ、話を丁寧に聞きながら、お子さんを最大限に受け入れてあげましょう。弱っているときは思考のブラックホールにはまりこみ、普段なら選ばない失踪や自殺企図などを頭の片隅で思い描いてしまうことがあります。

自分を気にかけてくれる人がいるというのは、最後の最後で見えないけれど強力な命綱になる。そのことを心にとめておいていただきたいです。

谷地森 久美子 公認心理師・臨床心理士

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やちもり くみこ / Kumiko Yachimori

公認心理師・臨床心理士。東京学芸大学大学院教育心理学講座修了。精神医療・学校臨床・産業(EAP)、各分野で10年以上の臨床経験を積んだ後に2009年より東京都内に心理オフィスを構える。心の専門家として約30年の活動を通し総計4万件の相談実績を持つ。現在、公立学校スクールカウンセラー、明治大学学生相談室相談員、神奈川県教育委員会スクールカウンセラー・アドバイザー(横須賀市担当)も兼務。

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