例えば東大合格者数1位の開成高校では、受験前の高校3年生が運動会を1からすべて企画しているそうです。その当日だけが忙しいわけではなく、1カ月以上、下級生の指導を行い、また競技のルール決めもしているとのこと。
だから、運動会は中高6年間で高3がいちばん大変なのだとか。受験で大変な高校3年生にもかかわらず、学校行事に本気で取り組んでいるのです。
これは一見ハンディキャップのように見えますが、しかしそれでもそれを経たうえで、多くの学生が東大に合格しています。
「なんで!?」って思いますよね。東大生になるためには長い時間の勉強が必要で、そのためには友達を作ったり、学内活動を本気でがんばったり、課外活動をすることは、はっきり言って無駄な時間に等しいはずです。そんなことをする暇があったら勉強したほうが合格に近づく……と、普通は思いますよね?
でも、この思考こそが落とし穴なのです。友達が少なく孤独な状態で勉強しているよりも、部活や生徒会・学内活動を本気でやった友達の多い人のほうが合格しやすいのです。今日はその理由についてお話ししたいと思います。
友達が多いほうが「合格しやすい」2つの理由
まず、受験勉強の本質は「説明」です。教科書や参考書を読んで、その内容を「理解」したうえで、それを試験で「説明」できるかどうかが問われます。
例えば英語の問題は、究極的には「この英文を説明できますか?」と聞かれています。数学は「これを数式で説明できますか?」、理科や社会は「この現象、この出来事、この時代、この人物を説明できますか?」と聞かれています。説明問題、選択問題、記述問題などの違いは、単に「形式の違い」にすぎません。
ただ闇雲に教科書や参考書を読んで勉強していても成績が上がらないのは、これが理由です。理解できたとしても、それを説明できないのであれば意味がないからです。
例えばみなさんも、国語の文章を読んで「なんとなく理解できたな」と思ったのに、試験で「これはどういうことか説明しなさい」と聞かれた瞬間に「うーん……?」となってしまった経験、あるのではないでしょうか? 「人に説明できる状態」にならなければ、テストでは点数を取れないのです。
「理解(=インプット)」は当然のこととして、「説明(=アウトプット)」できなければ、受験では合格できないのです。
よく、「東大生は元から頭が良い人の集まりだ」と言われます。ですが、そこで言う頭が良いって、実は「理解」が早い人のことでしかありません。いくら頭が良くても、それを他人に話し、うまく「説明」できなければ、成績は上がらないのです。
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